出張先のホテルで、「I knew it was you」というドキュメンタリー映画を観ました。名作映画「ゴッドファーザー」でフレド役をやっていたジョン・カザールの生涯を、フランシス・フォード・コッポラ、アル・パチーノ、ロバート・デニーロ、それにカザールの婚約者だったメリル・ストリープといった錚々たるメンバーのインタビューを織り交ぜて振り返る、という内容。
マフィアのファミリーにありながら、度胸もなく要領も悪いフレドの「線の細さ」が、ファミリーの拡大とともに冷酷さを増していくマイケルの存在感を際立たせている。彼の自信のなさそうな目、おどけた振る舞い、どれを取っても一級品。
「若い俳優に聞けば、十中八九、ソニーかマイケル役をやりたいと言うだろうね。フレド役をやりたがる奴なんてまずいないよ。ものすごく難しい、しかし大事な役なんだ。彼以外にあそこまでフレドを演じきれる男はいないね。」
もうべた褒め。そう、言われてみれば確かに彼がいなかったら、ゴッドファーザーはあそこまでインパクトの強い作品になってはいなかったでしょう。42歳という若さで亡くなったのが惜しまれます。
さて、彼が好んで演じていたのは、繊細で「傷つきやすい」男。これを、インタビューを受けた人が口をそろえて
Vulnerable
と表現していました。辞書をひくと一番に、
「(要塞などが)攻撃されやすい」
という意味が書かれています。要塞の話題なんて普段なかなか出てこないので、ほとんど使うチャンスがない単語として頭に入っていましたが、ここで俄然、使える単語としてランクアップしました。
実は前々から、この単語は気に入ってました。ヴァルナラボォという発音には、一度口にするとあと2、3回余計に言ってみたくなる、不思議な魔力があるのです。ベロベロバーとかビビデバビディブーのような「おふざけ感」がたまらないのですね。
彼ってちょっとヴァルナラボォだよね。
ほらね。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
彼ってちょっとヴァルナラボォだよね。
返信削除訳すと、彼って、カルボナーラが好きそうだよね。
って感じでしょうか(笑)。
ちなみに日本語の「魅力」(かどうかわかりませんが)は、擬態語、擬音語の多いことだと聞いたことがあります。以前ピーナッツ(スヌーピー)でbonk,clic,smak・・・いろいろ(といっても思い出せないところが寂しい)見た気がしますが、ちょっと違う(合わない)感がどうしてもするのです。
DVDで宮川大輔の喋りを見ていて思ったんだけど、擬音・擬態語を織り交ぜた会話ってアメリカ人はしないですね。というか出来ない。漫画の中でだってその語彙は乏しい。ピストルの音だってBang!くらいしかないしね。
返信削除という話を妻にしたところ、「日本人だってそんなに使わないでしょ。宮川大輔くんくらいじゃない?使うの。」との切り返し。う~ん、そうかな。どうなんだろ?