2010年6月29日火曜日

The tip of the iceberg 氷山の一角

何かを思い出せそうで思い出せない場合、

It’s on the tip of my tongue.

と言うことがあります。これ、知ってるけどなかなか使えない表現のひとつです。言葉が「舌の先まで」来てるんですよ。「そんなとこまで出て来てるならもう言えるだろ!」と突っ込みたくなるわけです。日本語の「喉元まで出かかってる」の方は、声帯まで届いていない段階なのでまだ説得力がある。

ところでこのTip を使った別の表現に、

It’s just the tip of the iceberg. (それは氷山の一角に過ぎない。)

というのもありますが、これを聞くたびに学生時代のある出来事を思い出します。私は某工業大学の合気道部に所属していたのですが、他大学との最初の合同合宿の際、かなり偉い師範(先生)に「気」についてのご講話を頂きました。師範がこう話します。
「普段使っている力というのは、実は本当の力のほんの一部でしかない。君達は氷山の一角という言葉を知っていると思うが、あれと一緒で、表面に見えている部分の何十倍もの大きさの力が眠っているのだ。」
その時、機械工学専攻だった近藤くんという仲間が、うつむいて笑いをこらえながら囁いたのです。
「氷山の水面上と水面下との体積比は常に1対10なのに、何十倍というのはおかしいよな。」
そう、水が凍ると体積が一割くらい増え、一方氷山は体積分の水と同じ重量の浮力を受けて浮かぶため、11分の10が水中にある計算になるのです。

せっかく神秘的に始まった「気」の話に、とんだケチがついたな、とトホホな気分になった記憶があります。理科系の学生にはうっかり出来ないたとえ話だということを学んだのでした。

2 件のコメント:

  1. これだから理系の人には冗談を話しにくい。

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  2. 僕も理系だけど、知らなかったんだよ、この話。

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