2010年6月11日金曜日

星条旗


今夜はサンディエゴ・パドレスとシアトル・マリナーズのナイト・ゲームを家族で観戦しました。イチローは一安打止まりで残念だったけど、地元パドレスがサヨナラ勝ちをおさめて首位に返り咲いたため、大いに盛り上がりました。

開始前にポップコーンを買いに行ったのですが、パドレスのユニフォームを着て紺色のサンバイザーを被った売り子のおばさんが、
「ええと、ポップコーンふたつにプレッツェルを…。」
と注文しかけたところで
「ちょっと待って。」
私を制しました。右手でサンバイザーを取り、それを左胸にあてる彼女。
「?」
一瞬戸惑った後、注文を繰り返そうとする私に、目で「何も言わず背後を見よ」と合図するおばさん。振り返ると、さっきまでごった返していた雑踏がぴたりと止まり、皆立ち止まって音楽を聴いています。耳を澄ますと、若い女性がアメリカ国歌をアカペラで歌っている。売店の頭上で天井からぶらさがったテレビに、力強く歌う白人女性と風にはためく星条旗が映っています。多くの人が、帽子を脱いで左胸にあてている。

大きな拍手に包まれて国歌斉唱が終わった後、人々が再びエネルギッシュに動き始めます。ニッコリ笑って注文を促す売り子のおばさん。

アメリカ人にとっての国歌の重みを実感したのでした。

2 件のコメント:

  1. この写真、すなわちイチローが一塁にいるところをナマで見たわけですな?スゴイ、スゴイ。特別な野球ファンならずとも、やはり見たい場面。アメリカの野球観戦って、憧れちゃうな。

    かなり以前、アイスホッケーを見たことがります。その時も同じような状況(国歌)を経験しました。
    これがもし、「きぃ~みぃ~がぁ~よぉ~は~・・・」
    となったら。相撲観戦でだって、そこまで厳粛にはならないかもね(行ったことないのでわからないが)。

    人種のるつぼ(死語?)アメリカで、少なくとも心が一つになれる瞬間なのかもしれないね。
    僕は昔から不思議でならない。
    アメリカのドラマとか見ていると、家族で抱き合って喜んだり、いわゆるハグしてスキンシップは欠かさないよね。日本人なんて「人前でそんな・・・」となる。子供のころファミリータイズ(この前聞いたやつね)なんか見ててすげーな、なんて思ったよ。
    それは習慣の違いとしても、家族愛や人を思う気持ちがあるように見えてしまう(思えてしまう)アメリカが、自国内はもちろん差別や偏見や戦争や・・・。

    甘すぎかね、おれ。

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  2. 両チームとも打者の打率がほとんど2割台前半だというのに、イチローだけ3割4分打ってるんだよね。同じ国民として鼻が高いと同時に、僕も頑張らなくちゃ、と思ったよ。

    日本人は何だかんだ言っても単一民族だし、互いの絆を確認する必要性って特別感じないよね。アメリカって異国籍の選手を束ねたスポーツチームみたいなもんで、常に結束を心がけていないと駄目なんだと思うよ。スキンシップ楽しいけど、僕は逆に、そんなことしないと相手との繋がりを信じられないの?という落ち着かなさを感じるな。

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