よく知らない単語をきちんと調べずに使用すると怪我をすることが多いのですが、中でも「複数形のない名詞」というのはやっかいな代物です。苦手としているのが、News。
“That is news to me!” (それは知らなかったな。)
“No news is good news” (便りのないのは良い便り。)
これまで何度も間違えて複数扱いしてしまいました。だって最後にSがついてるじゃん!紛らわしいんだよ!
さて数年前、同僚ケヴィンが私のオフィスにやってきて、我々のクライアントの横暴についてひとしきり不満をぶちまけたことがありました。それも、毒気の強い単語満載で。長時間黙って聞いているだけだった私は、段々居心地が悪くなってきました。
「ここで何も同調しないと、聖人君子ぶってるみたいで感じ悪いよなあ。」
そこで、前々から試してみたかった「crap(クラップ)」を、思い切って使ってみることにしました。
“Yeah, we don’t want to keep hearing such craps!”
クラップとは、「たわごと」という意味。
「なあ、そんなたわごと、もう聞きたくないよな!」
てな調子で吐き捨てたのです。この単語は状況にドンピシャだろ!と、内心手ごたえを感じていました。するとケヴィンが急に真顔になって、
「邪魔したな。じゃ、また。」
と踵を返し、ドアのところで立ち止まって振り返り、
「シンスケ、クラップは単数だよ。(Crap is singular.)」
と一言述べて消えました。ひとり残されたオフィスで、私の顔はどんどん赤くなっていきました。
2010年5月22日土曜日
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「ここで何も同調しないと、聖人君子ぶってるみたいで感じ悪いよなあ。」
返信削除その気持ちよく実感します。私の場合、同調する英語力がないだけなのですが。でも、聖人君子ぶっている方が最善の選択なのかも知れませんね。
逆説的ですが、恥ずかしい経験というのはなかなか忘れられないものなので、英語を覚えるにはあえて「生半可な知識をもとに発言してみる」ということも必要なのかな、と思ったりします。あまり続けるとへこたれるので、少し時間をおいて、ですが。周りの人に、「間違ってたらすぐ指摘してね。」と協力をあおぐこともひとつの手だな、と最近思います。
返信削除ケヴィンが帰ってしまったのは、シンスケのweをIととったから?クライアントのたわごとが、ケヴィンのたわごと(グチ)になって、「おまえ(ケビン)のグチはもうききたくない」と思ったから?難しいね、言葉って。
返信削除恥ずかしいといえば、高校の時の英語の塾。十数人の小さな部屋での授業。単複数形や語尾の変形の確認。いろいろな単語がでてきて、語尾に「何を付けるか」というもの。「yをiにかえてes」「s」とか、淡々と進む。で、僕のところでたまたまポテトがきたわけ。ぼーーーーっとしてた僕は、「塩」と回答。先生には「co」と聞こえたらしく、「?」。
「だって、ポテトにつけるのは塩でしょう」と、英語とは何の関係もないことを真顔で答えたのでした。30秒くらい、おばあちゃん先生も含めて大爆笑。長いよ、30秒。みんな涙を流して喜んで?くれたよ。もちろん、答えは「es」と一言で済んだ話なんだけども・・・・。ぜひケビンに英語で説明してあげてほしいね。
なんてこった。それでケヴィンの顔色が変わったのか!今初めて合点が行ったよ。どうして今まで気付かなかったんだろう。どうも有難う。
返信削除ケヴィンはもういないんだ。第30話くらいで出てくる話だけど。しかし30秒は長いね。