2010年8月6日金曜日

Toy Story 3 はTear-Jerker か?

昨日の午前中に家族連れ立って、今日の便で日本に帰ってしまう息子の友達も連れてToy Story 3を観に行きました。夏休み中のため大混雑を予想していたのですが、木曜の午前中だったので、客はわずか10人程度(何という贅沢)!

映画の三作目というのは観客のハードルが高くなっていることもあって、コケる場合が多いと思います。私はToy Story もToy Story 2も大好きなので、期待を裏切られることを半ば予期していました。しかしなんと、そんな心配は全くの無駄でした。正真正銘、名作です。子供の成長と旅立ち、友との絆、そして別れ、愛する人の裏切りが残す心の傷など、胸を抉る様々なテーマが見事に織り合わさって、最後の30分は、一流の指圧師が涙腺を丹念にマッサージしてくれているようでした。映画館であんなに泣いたのは久しぶりだなあ。

午後、感動から醒めやらぬまま職場に戻ったのですが、同僚マリアにこの作品を薦め、「泣けるよ~!」と言おうとして、 “It’s a real tear-joker.” とうろ覚えの単語を使ったところ、
「あ、Tear-Jerkerね。」
と訂正され、ちょっと恥ずかしかったです。Jerk というのは「ぐいっと引っ張る」という意味があり、Tear-Jerkerは「涙をぐいっと引き出しちゃう奴」ということですね。

その後、この単語の意味をネットで調べていて、「お涙ちょうだい」という若干蔑んだ態度の日本語訳が多いのに気付きました。もしそうだとすれば、何だかToy Story 3に申し訳ない気がします。あれは断じてそんな薄っぺらい作品じゃない!英語の辞書サイト(Merriam-Webster)を調べてみると、

“a story, song, play, film, or broadcast that moves or is intended to move its audience to tears.”

とあります。「泣ける」と「泣かせる」の両方あるようですが、「お涙ちょうだい」までの悪意は感じられません。さらにネットを探すと、BBCで製作者に対するインタビュー “Why Toy Story 3 is a tear-jerker.” があり、これを聞いてさらに確信が深まりました。もしもこれが「Toy Story 3 は何故お涙ちょうだい映画なのか」という意味だったら、取材を受けた側が厳重抗議するでしょう。Toy Story 3 は何故「泣ける」のか?というのが正しい理解だと思います。

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