2010年8月4日水曜日

Time is of the essence 期限厳守

組織で働くことの利点のひとつは、多様なバックグラウンドを持つ人達から気軽に知識を頂戴出来ることだと思います。それも無料で。廊下を挟んで斜め右のオフィスにいるラリーは弁護士で、契約関係の大御所です。昨日の夕方、数年前からひっかかっていた疑問をぶつけてみました。

プロジェクトの契約書には大抵の場合、次の一文が大きな顔でふんぞり返っています。

Time is of the essence.

直訳すれば「時間は重要だ」ですが、実務的には「期限に遅れたら責任とってもらうからな!」という脅し文句です。この条項によって、契約相手が期限を守らずダラダラ仕事するのを防ごうとしているのですが、現実にはこの一点だけでは不十分。遅れの責任が誰にあるかを分析したり訴訟を起こしたりするには大変な労力がかかるので、よほどのことが無い限りこの条項をたてに相手を糾弾することはないのだと。ただし、建設プロジェクトの場合は必ずと言ってよいほどLiquidated Damage(一日遅れるごとに〇万ドル払わせるぞ)という条項があり、この二点セットで防御は完璧なのだそうです。

こういったことを事細かに解説してもらって、全てタダ。有難いなあ。しかも会話の半分くらいはトイレでの立ち話。でも実は、私の本当の疑問はどうして「Time is essential.」じゃ駄目なのか、という点だったんです。なんでわざわざbe 動詞にof つけて仰々しく身構えるんだろう、と。これは法律外の話かもしれないので、昨日は遠慮して聞きませんでした。でもやっぱり気になったので、本日再度質問。すると、
「この国がスタートするはるか以前から、西洋社会の法律で使われていた条文なんだよ。この文章はそれ自体が既に独り立ちしていて、誰も疑問を抱かないんだな。その文章構造にあえて手を入れたりすれば、そこに何か特別な意図を感じてしまうだろうね。」

勉強になりました。

0 件のコメント:

コメントを投稿