昔、村上春樹の「ノルウェイの森」の英語題が “Norwegian Wood” だと知った時には、おやっと思いました。森はForest だとばかり思っていたので。しかもWoodという単数形で「森」になるの?と。これは、そもそもビートルズの歌が和訳された時点での誤訳を村上氏が確信犯的に使ったようですが、たとえWoodsという複数形だったとしても、私にはしっくり来なかったでしょう。
昨日の夕方、エリカが私のオフィスの戸口に立って言いました。
「車の調子が悪くて修理屋に出してるの。今からエドに乗せてもらって様子見に行くんだけど、もしかしたらまだ直ってないかもしれないんだって。エドはその足で家に帰らなくちゃならないから、もしそうなったら私、ここに戻って来れないし、家に帰れないのよね。修理屋から電話したら、迎えに来てくれる?」
お安い御用と承知したのだけれど、30分ほどでふらっと彼女が戻って来ました。
「代車を出してもらったの。週末も使っていいって。心配かけたけど、もう大丈夫。」
この「もう大丈夫」というのを、彼女は
I’m out of the woods.
と表現しました。「森から脱け出したわ。」という感じですね。考えてみたら、脱出したくなるような深い「森」になんて入ったことない。西洋の童話にはよく森の恐ろしさが描かれているのですが、そもそも同じ意味での「森」って日本にあるのだろうか。富士山の樹海あたりがそうなのかな。
ところで色々調べてみたら、ForestはWoodsよりも密度の濃い、獣なども住んでいるような鬱蒼とした森林を指すようです。そうなると、
I’m out of the forest.
の方が安心感をずっとうまく表現出来ると思うんだけど、そういう言い回しは無いみたいです。
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