2010年8月11日水曜日

Coined Terms 造語

語彙の豊富さでは他の追随を許さない、コンストラクション・マネジャーのトム。彼が話し始めると、その優美な語り口についつい耳をそばだててしまいます。昨日も契約担当のリエンと立ち話しているのを仕事しながら聞いていたのですが、彼が突然耳慣れない単語を使ったので、思わず振り返ってしまいました。彼の方も私が聞き逃さないことを予期していたようで、リエンに
「ほら、シンスケが食いついたぞ!」
と嬉しそうに笑っています。メモ用紙を渡してその単語を書いてもらったのですが、これがどういう意味なのか、皆目見当がつきません。

Shankapotomus

「シャンカパトマス??何これ?初耳だけど。」
トムは心得顔で、
「そりゃそうだ。辞書には載ってないぞ。」
とニヤつき、もったいぶっています。
「ちゃんと教えてよ。何なの?この言葉。」
彼の説明によれば、これはテレビコマーシャルから飛び出した新語であり、アメリカ人ならニヤッと笑えるニュアンスがあるのだそうです。

Shank (シャンク)とは、ゴルファーが大失敗した時に放つ、とんでもないファールボール。Potomus はHippopotamus (カバ)の後半部分で、動きの緩慢な男性を指すようです。Shankapotomusは、これを合成した造語。「ドジでぶざまなおっさん」てな感じでしょうか。ネットを調べたところ、Etradeという会社のテレビコマーシャルで、赤ちゃんが口をパクパクさせているところに大人の男性がセリフを合わせて小憎らしいことを言わせる映像が出てきました。

アメリカ人数人に尋ねたところ、全員この単語を知ってました。「ちゃんとした言葉じゃないよ。おふざけの造語だよ。」との但し書き付きですが。

ところでこの「造語」ですが、英語では

Coined Terms

と呼びます。コイン(貨幣)が動詞になると「鋳造する」ですが、それを言葉にも使うところが英語らしいなあと思います。Coined Phrase とかCoined Name なども、良く見る例です。

Who coined the term Shankapotomus?
シャンカパトマスって誰の造語?

てな感じで使われます。トムが最後に真面目くさった顔で、
「くれぐれも、ビジネス・ミーティングでは使わないように。」
そしていたずらっぽい笑顔になって、こう付け加えました。
「俺には使っても全然構わないよ。It’s totally cool to me!」

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