昨日の午後、あるプロジェクトの契約書を読んでいた時、
Force Majeure
不可抗力
という条項に目が留まりました。これはフォース・マジャー(ほとんど「マジュール」と聞こえる)というフランス語由来の言葉です。Majeure は Superior、 つまり上位の、という意味で、Force Majeure は「上位の力」、「当事者にはどうすることも出来ないこと」。条項の中身は、
「火事、洪水、(中略)、acts of God により仕事が遅れた場合、その間の責任は問われない。」
といったもので、私はこの、
Acts of God
に引っかかります。契約書に「神のみわざ」なんてちょっと変じゃない?日本の契約書には絶対書かれないフレーズだよなあ。
さっそく弁護士の同僚ラリーを訪ね、質問します。
「Force Majeure というのは、我々の力の及ばない原因で遅れが生じた時に責任を免れるための、大事な条項なんだ。以前話した Time is of the essence に対抗する形で、契約書に挿入するのが僕の仕事。Time is of the essence だけだと、何でもかんでも我々の責任にされちゃうからね。Acts of God は、既に中世のイギリスで法文中に使われていた言葉で、当事者のコントロールの及ぶ範囲を超えた出来事の一切合財をカバーしてくれる、便利なフレーズなんだな。この場合の神というのは、特にキリストを指したものじゃなくて、人間と対比される存在を意味してるんだ。」
これですっきりしました。Acts of God とは、日本語の「天災」ですね。
2011年2月2日水曜日
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