今日はバレンタイン・デー。日本では女子が男子にチョコをあげるならわしになってますが、アメリカじゃ逆です。しかもチョコというのはギフト品目のひとつに過ぎず、二人でロマンチックなディナーに出かける、というオプションが一般的みたいです。そんなわけで、今日は早めに退社する人がちらほら。ちなみに私は、会社帰りに赤いバラの花束を調達して妻にプレゼントしました。アメリカに来た当初は、
「おかしいよ。女子が男子にあげる日でしょうが!」
と文句を垂れていたのですが、さすがにもうそういう抵抗は止めました。家に花があるというのは良いもんですし。
さて、花束を買いに職場を出ようとした時のこと。インド出身の同僚ウデイから電話が入り、ちょっとしたヘルプを頼まれました。彼は新しいプロジェクトをスタートさせようとしているのですが、プロジェクト・マネジメント・プログラムの上でどうやってWBS(ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー)を設定するかで四苦八苦しています。先週作ったWBSが経理のクリスティンから却下され、作り直しを要求されました。
「あんな細かい階層構造だと経理の人間が処置に困る、って言うんだ。僕としてはあれが一番クリアで間違いないと思うんだけど…。」
そこで私がこう答えます。
「何が正しいかはもちろん大事だけど、他の部門の人に気持ちよく協力してもらえるよう体制を整えるのも重要だよ。特に経理部門に嫌がられるのはダメージが大きいね。」
そして咄嗟に口をついて出たのが、次のフレーズ。
“Well, pick your battles.”
直訳すると「戦いを選べ。」ですが、その真意は、
「得るものの少ない戦いにエネルギーを使うな。譲れるところは譲れ。」
ということです。この表現、今から8年前、当時の同僚デイヴから聞いて以来、使う機会を探して続けていたのですが、ようやくそのチャンスが巡って来ました!興奮のあまり、二回続けて言っちゃいました。はずかし~。
デイヴの発言というのは、あるパーティの席でのこと。同僚ケヴィンが今度結婚するという話を漏れ聞いた彼が、我々の席にやってきてこう言ったのです。
「結婚暦25年の俺から、アドバイス代わりに教訓をひとつ。長年夫婦仲を保ってきた俺の秘訣はこれだ。」
そして飛び出したのが、
“Pick your battles.”
これから結婚しようという若者に対して、なんと味気ない言葉を贈るんだろう、と苦笑してはいたものの、このフレーズの奥できらめく「真実」に、ちょっと感動していた私でした。
これは夫婦だけじゃなく、人間関係一般に適用できる教訓だと思います。
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