2011年2月3日木曜日

Beat a dead horse 済んだ話を蒸し返す

昨日の電話会議で、プロジェクトの財務状況に話が及んだ時、大ボスのエリックが我々のプロジェクトの業績についてこう弁護しました。
「ここ数ヶ月の数字だけ見ると確かに厳しい状況だけど、去年はうちの部門に大きな利益をもたらしてくれたし、トータルで見ても大黒字なんだ。あまり責めちゃ、プロジェクト・チームのメンバーが気の毒だよ。」
すると財務部門のトップであるトムが、クールな口調でこう切り返しました。

“I already said thank you for that last year. But it’s new year now.”
「そのことではもう去年お礼を言ったよ。でももう年が明けたんだよ。」

それに対してエリックが、苦々しげにこう呻きます。

“Well, then we don’t need to beat a dead horse.”

この “Beat a dead horse” というイディオムですが、過去何度も耳にしながらずっとピンと来ずにいました。「死んでる馬を打ちのめす」なんてヒドい行為だし許せないとは思うけど、大体その行動の意図がワカラナイ。今回ちゃんと調べてみて、私の誤解は “Beat” という言葉の紛らわしさのせいだったということが判明しました。

このイディオム、そもそもは “Flog a Dead Horse” というフレーズだったようで、それがいつの間にかFlog(鞭打つ)からBeat(打つ)に転じたようなのです。Flog って単語をあまり耳にしない時代がやって来て、誰かがより通じやすい Beat に変えちゃったのかもしれません。「死んだ馬を鞭打つ」なら話が簡単。「動けない物を動かそうとする」、つまり「やっても意味の無い試みをする」ということですね。

エリックが言いたかったのは、こういうことだと思います。

“Well, then we don’t need to beat a dead horse.”
「じゃ、この話を蒸し返す必要は無いようだね。」

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