2010年7月28日水曜日

Horse Trading 駆け引きの末に

私の関わっている大規模プロジェクトが、ちょっとおかしなことになっています。

クライアントが、相当の報酬を請合って仕様外の仕事を我々に課したにもかかわらず、最終的な要求額を目にした途端、「そんな大金は払えん」と手の平を返したのです。まあよくある話なのですが、こちらには彼らが「かかっただけ払うから」と言い続けて来たことを証明する書類が山ほどあります。常識的にはこちらの圧勝なのですが、彼らには、
「それじゃあおたくにはうちの全てのプロジェクトから手を引いてもらうぞ。」
という脅しの切り札があります。相手にそのカードを使わせないよう注意深く交渉を続けているのですが、何ヶ月も膠着状態が続いています。

今朝、社内で電話会議があり、この件で議論しました。会社トップの一人が、
「一体いくらの話をしてるんだ?交渉自体に金をかけすぎているんじゃないのか?」
と懸念を漏らします。プログラム・マネジャーがこれに答えて、

“True. We don’t want to get to the point of diminishing returns.”
「その通りです。費用対効果がゼロになるところまで行ってはいけません。」
Diminishing Returns は、日本語だと「収穫逓減」。要するにいくら頑張ってもそれほど効果が上がらなくなる状況ですね。

“We also don’t want to get into their horse trading.”
「彼らの駆け引きに引きずりこまれるのも避けたいです。」
このHorse Trading (抜け目ない駆け引き)というのは、かつて馬の売買においては客観的な評価が難しいため、腹黒い駆け引きが横行していたことから来ている言葉だそうです。

“We need to break the impasse.”
「この膠着状態を打開しないとな。」
Impasse (袋小路)の同義語にはDeadlock(行き詰まり)があります。

今日の電話会議では、こんな具合にクールな英語表現がざくざく出てきたので、メモ取りに大わらわでした。

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