先日、映画「Food Inc.」を観ました。ぶっ飛びました。滅多にやらないことだけど、我が家用に一枚、DVDを購入しようと思います。これはアメリカで暮らす人間には必見の作品。
ファスト・フード産業の成長拡大とともに、アメリカ人の食生活は急激に変化しました。我々が日々口にしているものが、どうやって育てられ、どう加工されているのか。日常的にはあまり考えることのないテーマですが、この映画を見たが最後、考えずにはいられなくなるのです。
以前この映画を薦めていた同僚のマリアと、今日の午後この話題で盛り上がりました。詰まるところ、ファスト・フード産業をここまで育てたのは消費者である我々自身であり、食品会社を責めるのはお門違いというもの。ひとりひとりが、一回一回意識して何を食べるかを選ぶ。業界の体質を変えるには、これしかない。
マリアがこう言います。
「実際、世の中は少しずつ変わってきてると思うわよ。うちの近所でもこの五年間に、Farm-to-Table のレストランが五軒もオープンしたの。」
おっと、これはまた新しいフレーズだぞ。自分のオフィスに戻ってFarm-to-Table を調べたところ、「食材が産地から食卓に直接運ばれる」という意味らしい。いきおい、「産地は地元」というパターンが多くなるので、そういう意味合いもあるようです。
新鮮な食品をおいしく頂く。これ、シアワセな生活の基本だと思います。ただ問題は、これが高くつく、ということ。映画の中で、ファースト・フード漬けになっている家族が取り上げられているのですが、二人の娘にハンバーガーを食べさせつつ、お母さんがこんなことを言います。
「子供たちにちゃんとした物を食べさせたいと思っても、値段が高くて買えないの。ジャガイモ一個が1ドル以上するのに、ハンバーガーならひとつ1ドルで買えるのよ。主人は糖尿病を患っていて、こんな食生活を続けていたら大変なことになるというのも分かってる。でも今の収入じゃ、他に道がないのよ。」
図式としては、ファースト・フード業界とそれを支える食品会社グループが低所得者をどんどん追い詰めている形です。でも、本当にその家族には他の選択肢がないのでしょうか?厳しいようだけど、そうとは思えません。上の娘が歯の矯正してるの、ちゃんと映ってたし…。
以前、82歳にして職場で一番の健康優良児ジャックが、毎日何を胃に入れるかというのは人生で一番大事な問題のひとつだ、と力説してました。
“What you eat is what you are, man!”
「あんたの食ったものこそが、あんた自身なんだぜ、メーン!」
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