昨日の午後、カマリロ支社のケンという人から電話がありました。
「プロジェクト・マネジメントのソフトウェアの使い方を教えてくれるかな。最終予測コストの出し方が分からないんだ。」
彼のプロジェクトのデータを同時にコンピュータ画面に映しながら、電話で一時間ほど指導しました。
「げげっ。こんなにコストがかかるのか?いつの間にここまで恐ろしい事態になってたんだ?利益が2万ドルもそぎ落とされてたなんて!」
プロジェクトの終盤になるまで財務状況をチェックしないからじゃん。スタート時点からコントロールしてなきゃ駄目なんだよ…。ま、そんなことを言っても仕方ないので、出来る限りの改善策を提案してみました。
「う~ん。今後かかるコストをこれだけ絞っても、利益率が上がらないのか。」
とケン。
「そうだね。今までかかったコストが大きすぎるから、残りわずかで何とかしようと焦っても、大きな変化は起こせないよ。このレポートを提出したら、上層部から電話がかかってくるのは間違いないね。こうなったら出来るだけコンサバな予測をして、悪いニュースは一回で済ませる、という戦略を取った方がいいと思うよ。」
すっかり落ち込んでしまったケンは、
「分かった。とにかくこれで提出してみるよ。」
とため息をつきました。そして最後にこう付け足しました。
“Then I’ll face the music.”
「音楽と対面」する?これ、前に何度も聞いたフレーズ。ちょっと楽しそうな響きです。でも彼の置かれた状況を考えると、どうもそんなポジティブな意味には思えません。さっそくネットで調べたところ、「潔く困難に立ち向かう」という意味だと分かりました。何で音楽が困難なの?
語源は諸説紛々。ド緊張した舞台役者が演技を始める際、オーケストラ・ピットの方を向く、とか、兵士が軍の音楽隊の方を向くこと、とか。はっきりしているのは、この場合の「音楽」が、大変な緊張を強いられる場面を象徴しているということですね。
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