2011年4月6日水曜日

Everything but the kitchen sink 何でもかんでも手当たり次第

週末にコンストラクションマネジャーのクリスからメールがあり、至急ヘルプを頼むと言って来ました。先週後半、建設業者がクライアントに宛てて、数十万ドルを請求するクレーム・レターを送りつけて来たというのです。
「工事期間が2009年のスタート時と較べ、随分延びている。これは我々の責任ではない。あなた方が余分な仕事を上乗せして来たからだ。この間の超過コストをお支払い頂きたい。」

クライアントをサポートすべく、私にこの要求の妥当性を検証してもらいたい、というのがクリスの依頼。彼がメールに添付してきた手紙を開いたところ、建設業者は遅れの原因(だと彼らが思う項目)をリスト化し、その日数を単純に合算しています。あらら、これはまた初歩的なミスを…。

プロジェクトの遅れというのは、そう簡単に分析出来るものじゃありません。遅れの原因追求は、クリティカル・パスの決定が第一歩。一般的には、一旦時計を過去に戻し、現在に至るまで実際に起きたことを、さも当初から計画していたかのように考えてスケジュールを再構築します。その上でクリティカル・パスを求め、その中から遅れの原因を抽出するというわけ。

今回建設業者が出して来たクレームには、この作業が抜け落ちているため、彼らが主張する「遅れの原因」には全く根拠が無いのです。たとえある作業が大幅に遅れたとしても、それがクリティカル・パス上に無ければ工期延長の因子ではない。そのことを彼らは理解していない。

昨日現場事務所に行ってクリスにその旨を説明したところ、彼はため息をつきながら、
「そうだろう。俺もそう思ってたんだ。あいつら、何でもかんでも手当たり次第に放り込みやがって。」
と毒づきました。ここで私の耳が、ぴくりと反応します。

彼の発言を再現すると、

“They threw in everthing but the kitchen sink.”
「台所のシンク以外なんでもかんでも放り込んで来やがった。」

です。この “Everything but the kitchen sink” は、過去に数え切れないほど聞いたイディオム。「なんでもかんでも」というニュアンスは分かるような気がするけど、なんで「台所のシンク以外」なんだ?といつも疑問に思っていました。

というわけで、さっそく本日調べました。語源はどうもこういうことらしいです。
「第二次大戦時のアメリカ人は、武器弾薬の製造にあてるため、所有していた金属類をなんでもかんでも寄付した。後に残ったのは台所の陶製シンクだけだった。」

な~るほど。確かに昔は陶磁器のシンク、あったよなあ。ちょっと前までは古臭いイメージだったけど、最近じゃ逆にオシャレですね。

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