同僚アリシアは、オレゴン州の地方都市出身だそうです。先祖は何代にも渡って林業を営んでいて、彼女のまわりはいわゆるブルーカラーで固められ、大学出はほとんどいないとか。
そんなバックグラウンドを持つだけに、彼女は自分の担当プロジェクトの現場で働く下請け作業員と、息がぴったり合うそうです。アリシアから見ると、部下の若いコンサルタント達は、頭はいいけど人あしらいが下手過ぎるとか。
「馬鹿にするわけじゃないけど、ブルーカラーの男達っていうのは小学生とあまり変わらないのよ。厳しく叱りつつしっかり褒める。時々アメをあげてみたりね。」
下請け業者の面々は、みな彼女を慕っているらしく、別の担当者をあてがうと不満を漏らすのだそうです。
「でもね、ブライアン(彼女の上司)はあまりそういうの、良く思っていないのよ。」
とアリシア。この時彼女が使ったフレーズがこれ。
“Brian doesn’t like that I wrap them around my finger.”
指のまわりに男達を巻きつける?なんだそれ?初めて聞いたぞ。
すかさず彼女自身に解説してもらいました。Wrap someone around one’s finger で、「誰かを意のままに操る」とか「手なずける」という意味になるそうです。でもどうして指に巻きつけるの?と疑問に思って調べてみたのですが、満足のいく説明はどこにも見つかりません。ただ、このフレーズには「little finger (小指)に巻きつける」というバージョンがあることが分かりました。小指のような、力の入れにくい指を使っても動かせる、ということから、「簡単に操れる」という意味に変わったものと推測されます。
しかし実際のところ、小指に何かを巻きつけるのって意外と危険なんです。かつて合気道を習っていた頃、師範に小指をつかまれ、彼の意のままに振り回されたことを思い出しました。この技、びっくりするほど相手の身体の自由を奪えるんです。
ということでこの英語表現、私の実感とは全く逆の意味であるということを学んだのでした。
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