火曜の晩、LAダウンタウンのマリオットに宿泊。翌朝は4時に目が覚めてしまい、なかなか寝つけませんでした。翌日のトレーニングでどんなプレゼンをするかが頭の中できちんと固まらないまま就寝してしまったため、神経が尖っていたのでしょう。
到着してみると、会場はコンピュータラボのような小さな会議室。異様に細長い部屋の中央にメインのプレゼンターがいて、自分のコンピュータの画面を壁に投影しています。プロジェクターと壁との距離が2メートルも無いため、32インチ液晶テレビにも劣る画面サイズ。部屋の両端に座っている人たちからは、この画像まで10メートル以上も距離があり、おまけに30度以下の鋭角でしか見えません。出席者の多くは明らかに集中力を失っていて、メールを打ったり携帯電話をいじったりしています。パワーポイントのスライドファイルが入ったメモリースティックをポケットに忍ばせていた私でしたが、この状況を目にした瞬間に諦めました。よし、これは第二案の「しゃべり一本」で行くしかない。
結果、これが吉と出ました。極めて非効率的な環境でトレーニングを受けて来た生徒たちは、私のフリートークで何か空気の入れ替えのようなリラクゼーションを感じたようで、全員の目がこちらを見ています。まずは簡単な自己紹介。次に、これまでどんな風にユーザーと接して来たか、どんな事でつまづき悩んだか。それをどう解決して来たか、と続け、最後にこうまとめました。
「スーパーユーザーといっても同じ人間です。短期間に何もかも理解出来るわけがありません。抱え込まず、どんどん人に質問しましょう。私も含め、力になろうとしている人はたくさんいるということを忘れないで下さい。」
大きな拍手でプレゼン終了。いやあ良かった良かった!
ところで、自己紹介のくだりでは元ボスのエドの名前を出し、「私はかつて彼の弟子でした」と告げることにしました。エドはそもそも今回のプロジェクトマネジメント・ソフトウェアの生みの親の一人であり、彼との関係を伝えることで私の話の信憑性が高まると思ったのです。しかし問題は、「弟子」を英語で何と呼ぶか、でした。映画「スターウォーズ」では、アナキンはオビワンの Apprentice (アプレンティス)と紹介されていましたが、「カクテル」という映画では、トム・クルーズを「こいつは俺の Disciple(ディサイプル)だ。」と紹介するバーテンダーのボスが出てきました。私の場合、どれが当てはまるのか?LAに向かう前に、同僚リチャードに質問しました。
「Apprentice は見習いみたいな意味だから、駆け出しのエンジニアでもない限り使わないと思うよ。Discipleは「使徒」という意味だから、宗教色が強すぎて場違いだし。そうだな、シンスケの場合は Protégé (プロテジェイ)が一番ぴったり来ると思うよ。」
辞書を引くと、「被保護者、子分」という訳が圧倒的に多く見られます。この和訳だと何だか Apprentice と変わらないような気もするのですが、よく調べてみると、これは protect を意味するフランス語から来ているそうで、「経験の豊富な人に庇護を受けたり訓練を受けたりする」者のことだということが分かりました。そう、これよこれ。
“I used to be a protégé of Ed. I asked him to give me a three-day personal training session. That’s how I became a super user.”
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