2010年9月12日日曜日

Clash, Crash, Crush!

プロジェクトのスケジュールを短縮し、遅れを取り戻す方法として、ファストトラッキング(Fast Tracking)とクラッシング(Crashing)の二つが知られています。ファストトラッキングの方は、本来「設計が終わったら建設を開始する」というように「Aの後にB」という関係にある二つのタスクを平行させてしまうこと。「設計と平行して建設する」みたいに。一方クラッシングは、クリティカル・パスにあるタスクにリソースを投入すること。つまり、遅れの原因になっているタスクにどんどん人なり材料なりを足して作業を加速することですね。

社内のトレーニングで教えていて分かったことですが、ファストトラッキングの方は何となく理解出来るものの、Crashing という英単語がどうしてこういう状況で使われるのか、ネイティブでさえピンと来ない様子でした。Crash を辞書で引くと、「すごい音をたててぶつかる」とか「飛行機が墜落する」という訳が出てきます。確かに、これだけ見ると、上記の状況に当てはまるとは思えません。そこで私は、パーティークラッシャー(Party Crasher)という言葉を使って教えるようにしました。

パーティークラッシャーは、招待されていないパーティーに忍び込んだり、(有名人の場合は)堂々と正面突破したりする人のことを言います。遅れを挽回するためクリティカル・パス上のタスクに駆り出される人たちは、「もともと頼まれていない」ため、これで意味は何とか飲み込めます。

しかし、ネイティブにはそれで良しとしても、我々日本人にはこの Crash という単語の紛らわしさが、完全に解決されたわけじゃありません。同じクラッシュでも、英語にはClash, Crash, Crush と三種類あるのです。昨日辞書で引いて私なりに納得したのですが、これは「ぶつかり方」の違いで分けられます。

Clash: 激しく衝突するけど、ぶつかった相手に食い込んでいないし壊れてもいない。
Crash: 激しく衝突して、ぶつかった相手に食い込んだり自分が壊れたりしている。
Crush: 相手をぐしゃぐしゃにする。

最後のは、空き缶を「グワッシ」と握りつぶすイメージで憶えています。

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