「ここにタスクをひとつ挿入してくれ。」
「このタスクの期間を三日から五日に変えてくれ。」
などと彼が指示を出す。プリマベーラというソフト上で私がそれを実行し、彼がウェブを通して私のコンピュータ画面を見ながら確認する。そういう段取りです。
先日の電話会議中、彼がこんなことを言いました。
「0666番のタスクがあるだろ。IDを変えてくれないか?」
は?
一瞬何の話か理解出来ず、固まりました。タスクのIDというのは単なる番号ではあるものの、遅れなどの分析をする際に正しい比較が出来るよう、一旦割り振ったら変えないルールがあるのです。
「IDを変える?何で?」
「この番号がイヤなんだよ。」「嘘でしょ。本気で言ってんの?」
「ああ、本気だよ。頼む。」
幸いにもこのスケジュールは出来たばかりなので、まだ修正は可能です。
「じゃ、6666に変えようか。」と私。末尾を変えるのは気が進まなかったのです。
「いや駄目だ。0667か何かにしてくれよ。」
「オーケー。じゃあそうするよ。」
電話会議を終えて暫くした時、突然彼のこだわりに合点がいきました。彼は666が嫌だったのですね。クリスチャンの間では、これを不吉な番号として疎んじる人がいるのです。しかも問題のタスクは、工事の終盤の重要なマイルストーンだったのです。スケジュールのアップデート作業のたびに、
「666番のタスクはどうなってる?遅れが出てるか?」と話すのは気分が悪かったのでしょう。
しかし、こう言っちゃ何だけど、たかが番号です。日本で仕事していた頃、「4番は縁起が悪いから避けてくれ」なんて発言、聞いたことないなあ。アメリカ人は皆、こういう迷信を躊躇なく仕事に持ち込むものなんだろうか?
そんなわけで今日の夕方、さっそく同僚リチャードに質問してみました。
「僕は特にそういうこだわり、無いなあ。敬虔なクリスチャンでもないから、僕の意見は参考にならないと思うよ。エドに聞いてみたら?」
エドのオフィスを訪ねたところ、ちょうどタッチの差で退社してました。お向かいの、弁護士の同僚ラリーに聞いてみます。
「僕も信心深い方じゃないから、シンスケの立場にいたら同じ反応したと思うよ。アメリカの南部(フロリダ含む)はクリスチャンが多いから、そういう迷信、大事なのかもしれないね。」
まあ迷信の信じ方は人それぞれだから良しとしても、そもそもルーがそんなに敬虔なクリスチャンなんだったら、どうしてガッデム(goddamn)などという神の名を軽々しく使った単語を平気で連発するのか、それが私には理解出来ません。
不勉強ながら、666が不吉な番号とは知りませんでした。だったら、いっそのこと、667なんて半端なことは言わずに幸運な番号を指定すべきですね。
返信削除ちなみに、日本ではなぜか7ですね。中国圏では8。車のナンバープレートも売買されていて、最も高額なのは8888です。財を成すという発財の発の発音が似ているという極めてシンプルな理由だそうです。不吉な番号を避けるという行為と、幸運な番号を買い取るという対極の行動ですね。
ふ~ん、国によって色々なんだねえ。勉強になりました!
返信削除ちなみに名古屋地区でも縁起がイイのは「末広がり」の8番が重用されてますヨ。
返信削除縁起の悪い番号は最初から外しておくってのは、日本では良くあるよね。ホテルの部屋で3号室の隣が5号室だったり。13号室は飛び番になっていたりとか。
オイラも、必ず連番というのでなければ42番(死に)とか893番(ヤクザ)とかは外すと思うゾ。
言われて見れば、確かに日本でもあるよね、そういうの。原辰徳の背番号も8番だった気がする。でも僕は高校生の時、13病棟に入院してたよ。なかなか退院出来なかった。
返信削除そういえば、アポロ13号が打ち上げられた時刻は13:13、事故発生は4月13日だったとか言うよね。そんなに13を続けたらさすがにマズい気がするね。誰も意義を唱えなかったのかなあ。
インテルのCPUも466MHz、566MHzはあるのに、666MHzを避けて667MHzにしましたから、結構影響はあるんでしょうね。
返信削除おお~っ!すごい情報有難うございます。そうだったんですか、あのインテルも信じテルとは…。
返信削除