「パパはどうしていつも遅いの?早く帰ってボクと遊んでよ。」
という不平を受け、ギクリとしました。確かにここのところ、遅い帰宅が続いていたのです。いつも気がつくと残業が恒常化してるんだよなあ…。
それからというもの、5時半までに社を去るよう努力しています。これまでは大抵ガランとしたオフィス内を見回り、誰も残っていないのを確認した上でドアに鍵をかけて退社していた私。この三週間は、明るいうちに帰っています。
さて、そこではたと気づいたのですが、同僚たちに対する適当な退社時の挨拶が思いつかないのです。Good bye (さようなら)が使われるのを聞いたことはありません(なにか大仰な感じを受けるからかもしれません)。
Good night (おやすみなさい)はこの場合、ちょっとおかしい気がします。
Have
a good day. (良い一日を)は、午前中に誰かと別れる際に使ってます。
See
you tomorrow. (また明日)は一番しっくり来るんだけど、毎日あちこちのオフィスを回って仕事している私には、使いにくいフレーズです。
埒が明かないので、帰り際に同僚ステヴをつかまえて質問してみました。
「そうだね。Good night は残業で夜遅くなった時ならぴったりだけど、明るいうちはおかしいよね。」
「Good evening. も変だよね。」
「そうだね。夜、誰かに会った時にする挨拶だからね。」「じゃ、ステヴだったらこういう状況で、同僚にどう挨拶する?夕方とはいえ、まだ明るいでしょ。」
「う~ん、そうだなあ。例えば相手がシェリルだったら、See ya! かな。」
シェリルというのはステヴの仲良しの同僚で、キュービクルの壁越しに、しょっちゅうジョークの飛ばし合いをしています。See ya! はSee
you later! (またね)の短縮形ですね。
「でもさあ、シェリルはステヴの友達だからいいけど、そこまで近しい関係じゃない同僚に対しては使いにくいんじゃない?」「確かにね。なれなれしい感じだもんね。う~ん、なんて言うかなあ。」
考え込んでしまったステヴ。あまり長居したくなかった私は、お礼を言った後、See ya! とオフィスを後にしました。
さて昨日も、5時半きっかりにオフィスを出ました。エレベーターを待っていた時、誰かが背後から急ぎ足でやって来るのに気づいて振り向くと、話題のシェリルでした。彼女とは仕事上の接点がほとんど無く、過去一年に交わした会話は合計1分くらい。彼女について知っていることといえば、ポーランド系アメリカ人で博士号を持っているということくらい。
こういう相手とエレベーターに二人きりというのは、非常に気まずいのです。で、天気の話などしながら一階へ。そのうち、二人とも交差点の向こうにある同じ駐車場に車を停めていることが判明したため、信号待ちの間、更にぎこちない時間が続きます。どこに住んでいるのかとか通勤時間が長いとか短いとか、どうでもいい話で間を持たせた後、いよいよさよならを言うタイミングを迎えました。
さあどうする?
夏時間のサンディエゴは、5時半でもまだ真昼の明るさです。Good night を言う状況では全くない。See
ya! と言うほどの間柄でもない…。
その時、シェリルが笑顔でこう言いました。
“Have
a good one!”
お~っ!そうそう、これがあった!Have a good day. とかHave a good night. の最後の部分を、 “one”を使ってボカしちゃうパターン。これは、いついかなる状況でも使えるオールマイティな別れの挨拶なのです。
シェリルのおかげで、便利なフレーズを憶えました。
英語でも「ぼかし」表現があるんだね。
返信削除万能ということは、さしずめ、
「じゃあ、どうも!」
さよならでもなく、また明日でもなく・・・。
そう、「どうも」なんだなーと思った。
あ、そうか。「どうも」に感覚近いかも。便利だよねえ。
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