オフィスの観葉植物の水遣りに来ているメアリーには、もうすぐ19歳になる一人息子がいます。今年から大学生になるのですが、最近仲間とバンド活動を始めたそうなのです。
「そのバンド仲間って誰なの?」
とメアリーが尋ねると、リーダーは22歳の男で、彼の自宅で練習するのだと言います。
「ちょっと待って。」
聞いたことのない名前ばかりだったので、少し心配になったメアリー。息子の目をまっすぐ見つめ、こう尋ねたそうです。
“Let me ask you point blank. Does anybody do drugs?”
「ポイント・ブランクに聞くけど、麻薬やってる人はいる?」
何てこと言うんだよ、みんな良い人ばかりなんだよ、と驚く息子に、良い人も悪い人も、麻薬やる人はやるのよ。と諭すメアリー。
この「ポイント・ブランク」、過去に何度も耳にしながら、一度も意味を調べたことがありませんでした。今日はネットで調べる前に、同僚リチャードの部屋を訪ねて質問します。
「う~ん、何でそう言うのかは分からないけど、前置き抜きでズバリ聞くよ、という意味だね。」
リチャードが例として挙げたのが、次のセリフ。
“Let me ask you point blank. Did you steal my money?”
「ズバリ聞くけど、俺の金盗んだ?」
「そうか、分かった。でもさ、ブランクって空白ってことでしょ。空白に的を絞って質問する、というのはヘンだよね。」
「そうだね。なんでそう言うのか分かんないね。ちょっと待って。」
答えに詰まったリチャードが、さっそくネットで調査します。
「へえ。これってフランス語由来のイディオムなんだって。ブランクは白ってことで、標的の中心の白い部分を意味してるらしいよ。」
「なんだ。的の中心を狙うっていう意味か。それなら寧ろ、ぴったりじゃん。」
“Let me ask you point blank. Does anybody do drugs?”
「ズバリ聞くけど、麻薬やってる人はいる?」
リチャードによると、「至近距離で」という意味にもなるそうで、 “shot point blank” (至近距離で撃たれる)をグーグルしたら、おぞましい画像がたくさん出てきました。
見ない方がいいです。
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