2011年8月25日木曜日

Canned と Candid

先日サンディエゴ支社で面接した女性を採用しようという話になり、正式な手続きを開始しました。まずは Job Description (職務内容)を書き上げ、人事を通して会社の人材募集サイトに掲載しなければなりません。アーバイン支社のリサから素案を作ってくれという依頼があり、新人に担当してもらいたい内容をリストアップして送信しました。

さっそく先日の午後、彼女のボスのエリック、それに私に宛てて、リサからこんなメールが届きました。

Please review the attached description and let me know what you think.
添付の文章を見て感想を教えてね。

そしてこう続きます。

I tried to combine Shinsuke’s input with our HR “canned” description.
シンスケの書いたものと、人事部の「缶詰の」文章を合体してみたの。

え?キャンド?缶詰がどうしたって?

この表現、しょっちゅう耳にします。でも意味が分からない・・・。さっそく同僚リチャードに質問。
「既製品ってことだね。色んな場合に使える定型みたいなものだよ。Off-the-shelf (棚から下ろした)という言い方もあるな。」

缶詰になっているということは中身が腐りにくいわけで、何となく美味しそうなイメージもあったんだけど、よくよく考えてみれば新鮮な素材をそのまま食べた方が旨いに決まってる。今回の場合、私の素案を人事部の定型文と合体させたのであって、リサが一から書いた文章ではない。

I tried to combine Shinsuke’s input with our HR “canned” description.
シンスケの書いたものと、人事部の定型文を合体してみたの。

ということですね。折角なので、続けてリチャードに質問。
「あのさ、Candid ってコトバもあるでしょ。それは何なの?」
昔、キャンディッド・カメラ (Candid Camera)、日本で言う「どっきりカメラ」というテレビ番組があり、「隠しカメラ」という意味で理解していたのです。それがある時、

“Can you give me your candid opinion?"
「君のキャンディッドな意見をいただけるかな?」

と人から言われ、混乱したことがあります。
「あ、それはね、正直な、とか率直な、という意味だよ。」
とリチャード。

後で調べてみたところ、Candid は Can と無関係で、語源はラテン語・フランス語の「明るい、光った、白い」だそうです。それが「バイアスのかかっていない」「邪念の無い」「身構えていない」という意味に変わったのだと。キャンディッド・カメラは、最後の「身構えていない」に当たり、「ポーズを取っていない」ところを撮影するカメラ、というわけですね。

“Can you give me your candid opinion?’
「君の率直な意見を聞かせてくれる?」

今日はふたつ学びました。

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