オレンジ支社の休憩室で弁当を食べてた時、誰かが置いて行ったニューズウィーク誌を読んでいたら、こんな記事が目に留まりました。
“When Maria Shriver married Arnold Schwarzenegger in 1986, it was a real live WTF moment.”
「1986年にマリア・シュライバーがアーノルド・シュワルツェネッガーと結婚したが、それはまさにWTFの瞬間だった。」
WTFという略語を最初に見たのは、今から3年ほど前。プロジェクトの収支についてのメールを、ファイナンス部門のトップに送った時のことです。私としては、意見を求めるつもりで書いた純粋な質問メールだったのですが、これが思ってもみなかった事態に発展したため、今でも鮮明に覚えています。
「もしもこのペースで進むと、最終的に〇十万ドルの損になってしまう計算ですが、現時点でそういう仮説を立てて良いものかどうか、教えてもらえますか?」
タイミングは年度末。ファイナンス部門は数字の積み上げの真っ最中です。そのピリピリした雰囲気を察するべきだったのですが、この頃はまだウブでした。何も知らず、破壊的な質問を投げこんじゃったわけです。
彼からの返信を無邪気に待っていたところ、大ボスのエリックからメールが飛び込んで来ました。
「シンスケ、こんなメールをいきなりファイナンスに送るのは言語道断だ。どうして先に部内を通さなかったんだ?」
かなりの剣幕です。エリックの文章の下に、ファイナンス部門のトップからのメールがあります。私の質問の上に、たった一言付け加えて。
WTF?
私にはこの略語の意味が全く分からず、当時聞く相手もいなかったので、ただぼんやりと嫌な気分でその日の午後を過ごしました。ところが夕方になって帰り支度をしていた時、出し抜けに暗号が解けたのです。
WTF = What the f**k
つまり、
“What the f**k is this?”
「なんじゃこりゃ?」
という、極端に激しい感情のこもった疑問文の略なのです。ジーパン刑事、松田優作殉職シーンの、あの叫びと一緒ですね。
今日の午後、同僚シェリルに、この言葉をビジネスシーンで使うことがどの程度不適切なのかを尋ねてみました。
「絶対、絶対使っちゃ駄目よ。そんなの会社のメールに書くなんて命取りだからね。」
と少しうろたえながらの回答。3年前の事件を話すと、信じられないという面持ちで、
「それはプロフェッショナルにあるまじき話ね。」
あれほどの役職にある人物が、そんな言葉を社内メールの文面に残すなんて、信じ難い失態だと言うのです。
「ものすごく取り乱してたってことよね、それは。」
彼の怒りの激しさを、3年の時を経て実感し、あらてめてちょっとビビリました。
2011年6月2日木曜日
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