2011年6月28日火曜日

Can’t comprehend 想像がつかない

最近知り合った同僚のローレルは、2年間のPeace Corps (「ピースコー」と発音)勤務を終えて今月会社復帰したばかり。Peace Corps というのは、第二次大戦後に始まった団体で、発展途上国に若いアメリカ人ボランティアを数多く派遣しています(日本の青年海外協力隊みたいなものですね)。彼女は南米エクアドルの田舎町で2年暮らし、自然資源の保全活動に従事してきました。当地では果物の種類が豊富で、それがみなイヤになるくらい安い。健康で栄養のあるものをたくさん食べられたそうです。しかしもちろん、一般消費財は必要最小限しか手に入りません。究極のシンプルライフを送ったとのこと。
「アメリカで暮らしてみると、いかにチョイスが豊富かにあらためて気付かされるわ。」
帰国して暫くは物質社会に馴染めず、一度などは冷めたお茶を温めるのに電子レンジを使えば良いということに思い至るまで数分かかった、と言います。
「あ、そうだ!チンすればいいんじゃん!って思わず叫んじゃったわよ。」

エクアドルは、長い海岸線を持つ一方でアンデス山脈を抱く、標高差の大きな国で、樹種や生物種の数では世界有数だそうです。住まいの軒先に吊るしたハンモックに寝そべって本を読んでいると、裏庭ともいうべき距離にあるジャングルで、無数のサルや鳥が飛び回るのが見えたそうです。
「夕日がとてもゴージャスだったわ。」
現地で知り合い仲良くなった女性に、南カリフォルニアの砂漠地帯の話をしたそうなのですが、砂と岩で覆われた土地が延々と続く光景をいくら描写しても、全く飲み込めなかったそうです。この時ローレルが使った表現が、

“She didn’t seem to be able to comprehend it.”

このComprehend (コンプリヘンド)ですが、Understand と共に「理解する」という意味で使われています。昨日までその違いがよく分からずにいたのですが、ローレルのこの発言をきっかけに、今回ちゃんと調べてみました。そしてやっと「理解できた」気がしました。

Understandは、その情報を理解する。
Comprehend は、情報の根本にある意味も含めて全体的に理解する。

ジャングル育ちのその女性には、「南カリフォルニアに砂と岩ばかりの土地がある」という情報を言葉として理解出来ても、「何故そんな土地が存在し得るのか」が理解出来ないわけです。Understand 出来てもComprehend は出来ないのです。

そんなわけで、私の和訳はこれ。

“She didn’t seem to be able to comprehend it.”
「彼女には想像がつかなかったみたいよ。」

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