2011年6月21日火曜日

Weirdo イカレた奴

先月から別部門に属するプロジェクトのPMに就任したため、週二回のペースでダウンタウンのオフィスに詰めています。まだ人の名前が覚えられず、一日に一人ずつの割合で頭に入れています。

先週のこと。午後のミーティングへと急ぐ途中、通路に面したキュービクルから人間の足が二本突き出ているのを見て、思わず立ちすくみました。男性が頭をデスクの下に突っ込み、カーペットの上に突っ伏した格好で、ピクリとも動かないのです。鼓動が速くなります。急いで近くの女性社員をつかまえ、
「大変だよ。男の人がキュービクルの中で倒れてる。」
と伝えました。すると彼女は全く動じる様子もなく、
「あ、彼ね。大丈夫よ。」
と冷静に答えます。なんでそんなに落ち着き払ってるんだ?ちっとイラついて、
「でもね、全然動かないんだよ。もしかしたら心臓麻痺かも。」
とせかす私。
「わかった。見て来るね。」
やれやれ、と一安心して待っていたら、彼女が戻ってきて言いました。
「大丈夫よ。デスクの下で、映画観てたわ。」
「え?映画?」

その時、ミーティングを始めようと準備していた同僚セシリアが我々の会話を聞きつけ、
「何?誰のこと?」
と尋ねます。そして、倒れていた男性が誰であるかを知るやいなや、聞いて損した、という表情で、
「気にしないで。彼、ウィアード(weird)なの。」
と詰まらなそうに呟きました。そのまま何の追加説明もなく、会議がスタートします。当然、私の頭は「?」で一杯。暫くは打ち合わせに身が入りませんでした。デスクの下で映画?スマートフォンで観てたのかな。どうして仕事中に?それにどうして腹ばいだったんだろ?私の疑問には遂に解答が与えられることなく、一日が終わったのでした。

さて、このウィアード(weird)ですが、私はずっと「ヘンな」という訳で理解していました。Strange とほぼ同列ながら、やや悪意が混じったニュアンスで。ところがこの週末、妻と映画を観ていた際、この変異形が現れたのです。

映画 Mother and Child (邦題「愛する人」)の中盤で、その単語が出てきます。

“Hey! Hey! The word is ‘thanks’, you weirdo!”
「おい、ちょっと待てよ!ここは「有難う」だろうが、このウィアドゥ!」

親切にしてくれた男性にひどく無礼な振舞いを見せた主人公の女性に対し、彼が怒って詰め寄るシーンです。weird のお尻に o をつけ、weirdo という名詞にしているのですが、ここは「ヘンな人」と訳すと弱すぎます。妻に意味を尋ねられ、自分がきちんと説明出来ないことに気付きました。

さっそく今日の朝、同僚マリアに質問します。
「weirdo はweird な人って意味よ。かなりはっきりと悪意が見えるわね。もちろん冗談ぽく使うことも出来るけど。ただ単に変人という意味で使うのはやめた方がいいわ。悪意の臭いを消したければ、クワーキー(quirky)の方がいいわね。」

さっそく私はweirdo の日本語訳、特に今回の英語のセリフの和訳を考え始めました。すぐに頭に浮かんだのは、
「このいかれポンチ!」
でしたが、ネットで調べたら「軽薄で間抜けな男性」のことだとのこと。ええっ?そうだったのかぁ。ずっと誤解してたぜ~。

そんなわけで、とりあえず映画のセリフはこう訳しておくことにしました。

“You weirdo!”
「このイカれ女!」

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