2011年3月8日火曜日

Get the hang of コツをつかむ

同僚に、ケプラーという苗字の男がいます。珍しい姓なので、プロジェクトのセットアップをサポートしに彼を訪ねた際、冗談半分にこう尋ねてみました。
「もしかして、先祖に天文学者がいたりしない?」
すると彼が、それを聞かれたのは初めてだよ、と笑ってからあっさり肯定しました。
「16代も上だけどね。」
なんと、彼は本当に「ケプラーの法則」で知られるヨハネス・ケプラーの子孫だったのです。
「げ!本当にそうだったの?こんなとこでエンジニアやってじゃダメじゃん。天文学やらなきゃ!」
すると彼が、
「実は僕、大学では物理学を専攻してたんだ。でも実学の方がやりたくなって、土木工学の修士号を取ったんだよ。」
「へえ、そうなんだ。じゃ、もしかして学部時代は量子力学なんかも取ったわけ?」
「うん、あれは結構好きな科目だったなあ。」

私はここのところ、量子力学に興味を惹かれて色々本を読み漁ってるのですが、未だに百分の一も理解出来ていません。世の中にこれほど難解なコンセプトがあろうか、と半ば理解を諦めかけてるんだけど、それを「好きな科目」とさり気なく言われたことで、一気に彼を見る目が変わりました。

ちょっとばかり量子力学の基礎を語り合った後、オンライン・システムで彼のプロジェクトの予算作りを開始しました。大抵のエンジニア達が吞み込むのに苦労するのが、予算を立てる際にコストとレべニューの両方を計算する、という考え方。彼も最初は頭がごちゃごちゃになっていたので、私が噛み砕いて丁寧に教えたところ、30分程で、
「あ、なるほど、そういうことか。」
と顔を輝かせました。そして嬉しそうにこう言ったのです。

“I’m slowly getting the hang of it.”

この get the hang of というフレーズは、「コツをつかむ」という意味なのですが、ちょっと語源を調べてみました。Hang (ハング)が「首を吊る」という意味の動詞なので、「絞首刑を一発で成功させるような縄の結び方をマスターする」ということから来ている、というもありますが、本当のところは分かりません。

ま、語源はともかく、量子力学をマスターしている偉大な天文学者の子孫にこのセリフを言わせたのは、ちょっと気持ち良かったです。

“I’m slowly getting the hang of it.”
「だんだんとコツがつかめて来たぞ。」

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