2010年12月15日水曜日

Omen 前兆

昨日、観葉植物の水遣りに来ている外部業者のメアリーが、日曜に起きた不思議な出来事について話してくれました。

旦那さんと二人、コンバーチブルのSUVで出かけた帰り、つづら折りの山道を運転していた彼女。日もすっかり暮れ、顔に受ける風が冷たくなってきた頃、突然左のこめかみに激しい衝撃を受けました。一瞬ショックで口が聞けなかったのですが、助手席の旦那に、
「何かが飛んできて私の頭に当たった!」
と伝えました。山道で暗かったこともあり、二人にはぶつかったモノの正体が分かりません。
「車を停めよう!」
と提案する旦那さん。
「路肩が無いのよ。こんなところで停めたら後ろから来た車に激突されるわ。」
頭に衝突した後、肩に滑り落ちていた得体の知れないものが、今度は座席の背と自分の背中との間にずるずると落ちて止まりました。それが微妙に動いています。
「鳥じゃない?すごく大きい鳥よ!」
パニックに陥るメアリー。1マイルほど走ったところで、ようやく路肩を見つけて停まりました。後ろを見ずに車を飛び降りる彼女。背後で旦那さんがその物体に手を伸ばすのが分かります。
「ふくろう(Owl)だよ。ふくろうが飛んできて君にぶつかったんだ。こりゃ大きいぞ。見てみるかい?」
「やめてよ。見たくないわ。何とかして!」
「分かった。このまま地面に下ろすよ。」
「死んじゃったの?」
「う~ん、分からない。多分生きてると思う。気絶してるんじゃないかな。そのうち息を吹き返すだろう。」
運転代わるよ、とご主人に言われ、
「ダメ。ただじっと座ってたら余計なこと考えちゃうから、運転続けさせて。」
とエンジンをかけるメアリー。

「一体全体、どうしてふくろうが私の頭にぶつかって来たのかしら?百万分の一もない確率でしょ。私、ミシガンやコロラドの田舎に住んでたこともあったけど、これまでふくろうを目撃したことすら無かったのよ。」
と、いまだに興奮さめやらぬ様子の彼女。
「まさか南カリフォルニアでそんな目に会うとはね。」
と私。旦那さんにこう言ったそうです。

“Is this a good omen or bad omen?”
「これは良い前ぶれ、それとも悪い前ぶれ?」

オーメンというのは前兆、とか神のお告げ、という意味ですが、映画「The Omen」の強烈な印象のお陰で、不吉な言葉だとばかり思っていました。極めて中立な単語だったのですね。

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