2011年7月31日日曜日

Boilerplate ひな型

先日、オレンジ郡のプロジェクトをゲットするためのプロポーザル・チームが組織され、電話での作戦会議がありました。サンディエゴのダグがPM、サンフランシスコのカレンがプロポーザル・コーディネーター、オレンジのジャックがクライアント・マネジャー。私はプロジェクトコントロール・マネジャーという肩書きです。

プロポーザルの第何章を誰が書くか、という割り振りをしていた時、誰かがジャックに尋ねました。
「この部分のボイラープレートを送ってくれる?」

あまりに頻繁に聞くフレーズなので、これが「テンプレート」とか「ひな型」を指すのだということは、前々から何となく分かっていました。例えば契約書などは、細かいところを修正すれば即使えるバージョンが大抵存在していて、これを「Boilerplate Contract」と呼んでいます。

さっそく同僚リチャードを訪ねて質問してみました。
「あのさ、意味は大体分かってるんだけど、どうしてボイラーが出てくるの?」
「さあねえ。どうしてだろう。考えたことなかったよ。テンプレートと同じ意味なんだけどね。」
「うん、知ってる。でもそれじゃ、どうしてテンプレートって呼ばないのかな。」
「ちょっと気取った(edgy)言い方をしたい時に使う表現なんだよ。」
「たとえば君だったらどういう風に使う?」
彼は机の上に山積みになった図面をちらっと見て、

“Can you send me a boilerplate title sheet?”
「タイトルシート(図面集の最初のページ)のひな型送ってくれる?」

という文例を即席で作ってくれました。

自分のオフィスに戻ってあらためて調べてみたところ、ウィキペディアに語源が載っていました。そもそもはボイラー(水を温水や蒸気に換える装置)を製作するのに使っていた分厚い鉄板を指していたのですが、その昔新聞を刷るのに使われていた鋼板がこれに似ていたため、ボイラープレートと呼ばれるようになったそうです。それが転じて、「標準形」とか「ひな型」「テンプレート」という意味になったみたい。

頭の中で、なんとか「ボイラー」と「ひな型」を関連付けようと少しの間考えたのですが、そもそもボイラー自体が現在の日常生活にほとんど登場しないので、イメージが湧きません。そういえば日本で会社勤めを始めたばかりの頃、当時住んでいた独身寮のオヤジが、
「管理人というのはボイラー技師の免許を持っていないと務まらないんだ。」
と自慢げに話していたのを思い出しました。彼には寮の共同風呂を沸かす仕事があるのです。しかしそのオヤジ、なんとも怠慢なことに、週三回(月、水、金)しかボイラーに点火してくれませんでした。おかげで金曜に風邪でもひこうものなら、四日も風呂に入らないまま月曜出勤、という悲惨な事態になったものです。

思い出したらムカついて来た。

4 件のコメント:

  1. 冷麺といい、ひながたといい、なかなかいい写真を持ってくるね。じゃあ、日本語の「ひな型」とは?
    まさか雛形さんが作ったわけじゃないよね。
    テンプレートっていうのも、パソコン時代になって知った言葉だよね。Boilerplate Contractとか、boilerplate title sheetということは、名詞+名詞すなわち名詞の形容詞的用法ってやつ?
    いまさら、グラマーする気はないけれど。。。。。

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  2. ひなというのはひよこのことで、ひな型(またはひな形)は、ミニサイズの模型のことだそうです。それが転じて「標準形」みたいな意味になったとか。

    ボイラープレートは名詞としても形容詞としても使えるんだって。

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  3. boilerplateの意味は分かるんだけど、templateとどうニュアンスが違うのかまでは分からなかったので参考になりました。
    やっぱり気取った言い方だったんだ…。

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    1. コメント有難うございます!またお越し下さい。

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