2011年7月15日金曜日

I was not taken a back. 驚きはしなかった。

ビジネス・スクールに通い始めた頃、教授の言っていることが全く理解出来ず、毎日暗い気持ちになっていました。一ヶ月しても状況は一向に改善されず、クラスメートのジムにその苦境を打ち明けたことがありました。
「分からないって、どんな言葉が分からなかったんだ?」
「いや、自分が何を分からないのかも分からないほど、徹底的に分からないんだよ。」
「何が分からないか言ってくれなければ助けようがないじゃないか。俺は力になりたいんだよ。」
「ありがと。でもほんと、助けてもらえるレベルに至っていないんだ。」
ジムは少し苛立っていたようですが、どうしようもありませんでした。

そうなんです。たとえ誰かの発言がこれ以上無いほど明瞭に聞き取れたとしても、結局ひとつひとつの言葉が自分の語彙に含まれていなければ、意味は分からずじまいなのです。しかも後で調べようと思って書き取りたくても、綴りが分からない。第一、話が猛スピードで展開している場合、書き取る余裕なんかありません。

最近、会議中に何度も次のフレーズが登場し、その度に「?」となっていました。

「アイワズナットテイクナバック」

ていくなばっく?なんじゃそりゃ?ネットで調べているうち、これは

I was not taken aback.

という綴りなのだということを発見。意味は、「驚きはしなかった」です。Aback が「後ろに」という意味で、 “be taken aback” は後ろの方にぐいっと引っ張られる感じでしょうか。昨日の夕方、オレンジ支社の同僚スティーブンに質問してみました。
「サプライズとはどう違うの?」
「おんなじだよ。」
「少し洒落た表現なのかな?」
「いや、そんなことない。同じだよ。」
「でもさ、全く同じってことは無いでしょ。」
「同じ文章の中でsurprise という単語を繰り返し使いたくない時に登場させる、その程度のフレーズだよ。」

な~んだ。クールな英語表現だと思ったのに、そうじゃないのか。ま、とにかく勉強になったぜ、と喜んで帰宅の途へ。久しぶりにマルコム・グラッドウェルの「Outliers」(邦題は「天才!成功する人の法則」)のCDをかけ、車を走らせました。すると10分も経たないうちに、次の一節が出て来たのです。

“He was taken aback.”

このCD、かれこれもう5回は聴いてます。それなのにこのフレーズ、今まで全く聞き取れていませんでした。これで自信が確信に変わりました。

知らない言葉を何度聞かされようが、永遠に理解など出来ない。

そんなわけで、「聞き流すだけで英語がどんどん上達する」という学習法、私にはどうしても信じられません。

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