2011年5月6日金曜日

Final nail in the coffin とどめの一撃

昨日オレンジ支社で仕事していたら、同僚ジャックが神妙な面持ちでやって来ました。
「ちょっと話したいんだけど、いいかな?」
彼の部屋へ行くと、静かにドアを閉めたジャックが、
「ティムが解雇されたよ。」
と言いました。

ティムは上下水道部門のPMで、少し前に週30時間勤務に切り下げられたところでした。不景気のあおりで、業務量が激減しているため、こうなることは避けられなかったのでしょう。彼の持ち駒で、私も深く関わっていたプロジェクトがあるのですが、一ヶ月前に突然、無期限の中断をクライアントから言い渡されました。地元市とクライアントとの話し合いがこじれ、打開策が見つかるまで前に進めない、というのです。
「今思えばあの一件が、最後の (final)…。」
と言いかけた私ですが、良い表現を思いつきません。するとジャックがそこを引き取って、こう会話を締め括りました。

“That was the final nail in the coffin.”

直訳すると、「あれが棺の最後の釘だったね。」この表現、以前に何度も聞いているのですが、 “nail in the coffin” の部分がどうしてもしっくり来なくて、先週サンディエゴの同僚達に質問したところでした。「棺の中の最後の釘」と解釈すると、まるでお棺の蓋を開けて中に釘を一本放り込むようなイメージが浮かぶのです。前置詞の “in” が曲者。同僚リチャードによると、
「いや、そうじゃないよ。お棺の蓋に釘を打ち込む、という意味で in が使われてるんだよ。既に終末が見えている事態があって、そこへ最後のとどめを刺す、というフレーズだね。」

3年前のある日、私は上下水道部門への移籍を促され、迷っていました。その時私を今の環境部門へ引っ張ってくれたのが、大ボスのエリック、そして彼のボスのジョエルです。あの時彼らが動いてくれなかったら、私も今頃ティムのような目にあってたかもしれません。人生というのは、実力半分、運半分だな、と思わずにいられません。

0 件のコメント:

コメントを投稿