息子が通う日本語補習校の同級生で、お母さんが日本人、お父さんがアメリカ人という女の子がいます。このお父さんが私と同い年なのですが、恐らく同年代の平均的男性三人分くらいのエネルギーを持つスーパーパワフル・ガイ。仕事を普通にこなしつつ夜は大学講師を務め、更には二つ目の修士号取得に向けて大学院に通ってます。それだけでもビックリなのに、長男が始めたサッカー教室に付き合ううちに、レフリーの資格まで取ってしまったのだと。少年サッカーのレフリーという仕事は基本的にボランティアなので、わりとどたキャンが多いそうです。でもこのお父さんは律儀な性格で、レフリー役を頼まれるとどんなに多忙でも何とかやりくりして引き受けてしまうのだと。そうしてどんどん頼まれているうちに、昇格しちゃったのだそうです。
始めた頃は奥さんに、「俺はまだまだジャンク・レフリーだから。」
と言っていたそうなのですが(というのは奥さんの弁)、あっという間にレベルが上がったため、彼女が
「もうジャンクじゃなくなったのね。」
と労ったそうです。すると途端に顔をこわばらせ、
「ジャンクって何だよ?」
と、ぶすっとした表情で尋ねたそうです。
「え?だってあなたがそう言ってたんじゃない。私は素直に、そういう表現があるのね、って思ってたんだけど…。」
慌てる奥さんに、彼がゆっくりとこう説明したそうです。
「俺が言ったのは、 adjunct (ァジャンクト)レフリーだよ。」
と尋ねたところ、
「小さい子供がいる家庭なら、エッグハントをするね。庭のあちこちに玉子を隠して、それをちびっ子たちに見つけさせるんだ。」
と話してくれました。
「ああ昔はやってた、うちの子も。でも彼はもう11歳だからね、さすがにエッグハントは卒業かな。僕みたいに、子供が大きくなっちゃった人はどうすればいいの?」
と更に押したところ、彼がこう答えたのです。
“You could die.”「死ねば?」
へ?それは一体どういうジョーク?ギョッとする私に、
「あ、ダイは D Y E のダイだからね。」
と付け加えるステヴ。あ、なんだ、dye (染める)ね。
「イースターには玉子に彩色して飾る人も多いんだ。」
だそうです。彼が言いたかったのは、こういうこと。
“You could dye (eggs).”「(玉子)に色を塗るのもいいんじゃない?」
まったくもって、英語の達人への道は険しい…。
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