2012年1月19日木曜日

Bull in a china shop がさつな人

午後一番で、ダウンタウン・サンディエゴ支社のドンであるテリーと話していた時、2月から数ミリオンドルのプロジェクトがスタートする予定だと聞かされました。プロジェクト・マネジャーはテキサスの支社にいる女性だとのこと。WBSや予算のセットアップの時は、是非協力してね、とテリーが言います。ハイ喜んで、と快諾した後、そのPMがどんな人なのか聞いてみました。

「とても頭の切れる人よ。かなりの優等生ね。仕事は必ずきっちりやってのけるわ。私は彼女、大好きだし尊敬もしてるわ。」
一旦こう大きく持ち上げた後、意味深な笑みを浮かべて続けます。
「ただね、人に誤解されやすいタイプでもあるのよ。ゴールが決まるとそれに向けて突っ走るあまり、コミュニケーションを端折ることが多いの。キーパーソンに黙って事を進めるケースも度々あって、これが感情的な摩擦を生んでトラブルになるのね。それに頭の良い人にありがちな欠点だけど、相手の話を辛抱強く聞くことが出来ないの。一方的にまくし立てることが多いのよ。」

毎度の事ながら、彼女が誰かの人となりを説明する際の描写の巧みさには、惚れ惚れさせられます。締めくくりにテリーが使ったのが、次の表現。

“She can be a bull in a china shop.”

ブル(bull)というのは雄牛、チャイナショップ(china shop)は瀬戸物屋です。つまり、「瀬戸物屋の中の雄牛みたいになっちゃうこともあるわね。」場面を想像すれば、言わんとしていることは分かります(一挙手一投足がトラブルの元になる)。しかし、彼女がこのフレーズにどの程度否定的な響きを持たせたのかがつかめなかったので、後で食堂で会った時に確認してみました。

「さっきの表現ですけど、あれ、どの程度のネガティブさなんですか?使い方によってはニュートラルにもなるんですか?」
「まず間違いなくネガティブよ。」
ありゃりゃ、そうなの?大好きって言ってたじゃん…。
「要するに、Self awareness (自分を理解する力)に欠けるのよ。」
なるほどね。己を理解出来なければ、自分の言動が引き起こすトラブルに気付く訳もないか。これって、日本語にすると何だろう?「がさつな人」あたりが最適解なような気がします。

後でこのフレーズの語源や意味を調べていたところ、Discovery Channel というテレビ局が以前、Myth Busters という番組で検証を試みていたことを知りました。牧場の囲いの中に瀬戸物売り場を特設し、ここへ雄牛を放してみる、という実験。

http://dsc.discovery.com/videos/mythbusters-bull-in-a-china-shop.html

意外なことに、雄牛は注意深く陶器の棚をよけて歩いたため、な~んにも壊れなかったのでした。牛って結構繊細?

4 件のコメント:

  1. あー、ちなみにタイトル画像、どなたですか?

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  2. 引退して「普通の女の子」に戻った、元女子プロレスラーのブル中野さんです。

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  3. このコメントはブログの管理者によって削除されました。

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  4. そんなに減量したの?そりゃ本も書きたくなるわ。

    ブルドーザーの語源有難う。ちょっと可愛い命名法だね。

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