2011年12月7日水曜日

That’s our ethos! それがうちの社風なのよ!

昨日、ダウンタウン・サンディエゴ支社の食堂でシャノンと一緒に弁当を食べていたら、環境部門のトップ、テリーがやって来ました。
「我らが誇るプロジェクト・コントロール・チームと、同席させてもらえたら光栄なんだけど?」

ランチを楽しみつつ、ひとしきり三人で仕事の話をしたのですが、そのうち最終コスト予測レポートの話題になりました。私が一言。
「これまで色々な部門のプロジェクトに関わって来ましたけど、ここの部門は本当にきっちりレポート出させてますよ。他の部門じゃ、過去一年も提出していないPMなんかざらにいますからね。」
するとテリーがきっぱりした口調で、
「うちはね、他がどうあれ、やるべきことは完璧にやるの。」
そしてこう続けました。

“That’s our ethos!”
「それが私たちのイーソスなのよ!」

イーソスだって?思わずシャノンと顔を見合わせる私。彼女も目を丸くしています。相変わらずすごいなあ…。テリーと話すたび、その圧倒的な語彙力に驚嘆させられます。

「分かってるわよ。メモ取るんでしょ。」
と顔を赤らめるテリー。
「ハイもちろん。いただきましたよ。」
と、ジェスチャーで左の掌に右手でメモする私。テリーはシャノンの方を向くと、
「もうシンスケったら、いつも私の使う言葉を面白がってメモするのよ。」
そう困り顔で訴えながらも、まんざらでもない様子。
「でもイーソスなんて単語、普通は思いもつかないよね。」
と私。
「私もそう思う。」
と、感心するシャノン。

実のところ、この時点ではイーソスが何なのか、よく分かっていませんでした。席に戻ってあらためて調べたところ、「倫理観」とか「気風」とか「精神」という意味でした。日本語では「エトス」とか「エートス」と発音されているようですが、ウィキペディアによれば「習慣・特性などを意味する古代ギリシャ語」。道徳を表すethics の語源だそうで、社会学者のマックス・ウェーバーは、「生活態度、心的態度、倫理的態度という三つの性向を併せ持つ」と説いたとのこと。

テリーを頂点のひとつとするこの組織は、今の会社に買収されるまで、環境・建築・デザイン分野の大学生たちが “dream job” と呼んで憧れる、宝石のような優良企業でした。今でこそ「巨大企業の一部門」に成り下がっているけど、社員ひとりひとりは、今でもそんなプライドを胸に秘めて仕事しています。テリーの発言は、そういう気持ちの発露と受け止めるべきでしょう。

“That’s our ethos!”
「それがうちの社風なのよ!」

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