火曜日にロサンジェルス支社で、プロジェクトマネジメント・トレーニングのドサ回り第一弾を終えました。来週から第二弾の開始です。それが終わると、次はミケーラの「ファイナンス」、サラの「リスクマネジメント」と続きます。今朝ふと気になって、アーバイン支社のリサにこんなメールを送りました。
「サラの原稿作りは進んでるの?来月の本番に間に合うのかな?」
法務部のお偉方であるサラは、当初から「スライドは用意するけど実際に教える時間が割けるかどうかは不明」という中途半端な態度を表明していて、講師陣の最大の不安要素なのです。
これに対するリサの返信がこれ。
「粗い原稿はもうもらってるの。でも、社内規定の変更が進行中だから、その最終形を待たないとスライドを完成させられないって言うのよ。」
そしてこう続きます。
“I’m having a call with her again on Monday to draw a line in the sand and just go for it.”
Draw a line in the sand だって?砂に線を引く?う~ん、これは新しいフレーズだぞ。さっそく調査。意味は「譲れない一線を示す」で、有力な語源は二種類あるようです。
リサは週明けにサラに電話して、「私が譲歩できるのはここまでよ。」と詰め寄ってみる、と言いたかったのでしょうが、これを私は「意思決定の期限を決めて告知する」という風に解釈しました。で、同僚リチャードに確認すると、
「ここから先は譲らないぞ、覚悟しろよ、という対決姿勢で使うイディオムであって、仕事の締め切りみたいな話とは全然違うよ。」
という意見。ああそうなの?でもリサがサラに脅しをかけるとは思えないしなあ。
同僚マリア、そして品質部門の重鎮クリスとランチに出かけた際、この話をしてみました。するといつも穏やかなクリスがいきなり、
“That’s my pet peeve!”
とうんざりしたような顔で唸ったのです。なに?ペットピーヴ?
「仕事の場でイディオムを多用する奴に会うと、頭に来るんだよ。話の内容がぼかされてちゃって、結局正確に伝わらないケースが少なくないんだ。悪いことには、今回の例でも分かるように、本来の意味から微妙にずらしてイディオムを使う輩がいて、余計意思疎通の邪魔になるんだよな。」
「ふ~ん、そうなの。僕は嫌じゃないけどなあ。英語の勉強になるし。でも確かに、会議中に知らないイディオム使われると、そこで思考がぴたっと止まっちゃうこともあるね。」
「だろ。だから僕は、イディオムを不用意に使う奴に会う度、それは一体どういう意味だ?って挑みかかるようにしてるんだ。」
「それはちょっとやりすぎじゃないの?皆にうるさがられるかもよ。」
「いや、それでも僕はこの運動を続けるつもりだよ。」
クリスのこだわり方はちょっと理解に苦しむけど、私は彼の言った「ペットピーヴ」の意味が気になっていました。午後、同僚リチャードを再び訪ね、解説を依頼。
「ピーヴはイライラの元、とか人を怒らせるもの、とかいう意味だね。ペットはほら、お気に入りってことでしょ。だから、ペットピーヴはその人独自の怒りのツボみたいな意味だね。」
な~るほど。つまりこういうことかな。
“That’s my pet peeve!”
「それが僕の怒りのツボなんだよ!」
どうでもいいけど、あまりクリスに意地張られると、ブログのネタが減っちゃうんだよな…。
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