ミシガンに住む義父が用事で一週間ほど日本へ行くというので、一昨日9歳になった息子も一緒に連れて行ってもらうことになりました。念願の、「日本の小学校に体験入学」まで実現出来る運びとなり、彼は大興奮です。
「日本の学校ではどんなことをしたい?」
という問いに対して返ってきた答えが、
「悪ガキ集めてチームを作って、いたずらしたい!」
おいおい、そんなことして問題になったら二度と受け入れてもらえないぞ!
今日の午後、オフィスの観葉植物の水遣りに来ている外部業者のメアリーにその話をしたところ、
「それって冗談じゃなく、ほんとにきちんと注意してやった方がいいかも。」
と心配顔になり、こんなエピソードを語り始めました。
彼女の女友達が、今年に入って英語教師の職を得ました。場所はエジプト。8月から2年契約で、小学3年生のための外国語クラスを受け持つことになったのです。こっちの家を売ったり色々雑事を片付けるため、ご主人は暫くこちらに残り、来月エジプトで合流する予定でした。そんな彼女から、先週電話が入りました。
「元気?そっちはどんな様子?」とメアリー。
「うん、アメリカに戻ってるの。」
「え?2年間エジプトにいるんじゃなかったの?」
「それがね、…。」
彼女のクラスに一人悪ガキがいて、毎日のように彼女を追い掛け回し、背中に教科書を投げつけて来るのだそうです。何度注意しても言うことを聞かない。3ヶ月間我慢した挙句、ある日くるっと振り向いてその男の子の両肩をガシッとつかまえ、
“Enough!”
いい加減にしなさい!
と睨み付けました。その場はそれでおさまってホッとしていたら、夜になって学校当局から連絡が来ます。
「急いで荷物をまとめて空港に向かって下さい。」
「はあ?」
帰宅した悪ガキが両親にその日の事件を報告したところ、彼らは
「その教師を殺す!」
と逆上したそうです。たとえそれが小さな子供であれ、女性が男性の身体に触ることは宗教的にタブーなのだそうで、その禁を犯したからには死をもって償わなければならない、と。その動きを察知した学校側は、両親が彼女を殺しに行く前に何とか逃がそうと画策。その甲斐あって、どうにか無事に帰って来たとか。
さすがに日本でこんなことは起こり得ないけど、確かに文化の違いについては、出発前にきちんと息子に言い聞かせておく必要がありそうです。「授業中は立ち歩かない」なんて基本的なことから(こっちじゃその辺のルールがかなり緩いので)。
ところでこの “Enough” ですが、同タイトルのジェニファー・ロペス主演映画が封切られた時、邦題はどうなるのかな、と楽しみにしていました。こういう、単語ひとつのタイトルって和訳が難しいんだよな。「充分よ!」じゃ変だし、「いい加減にして!」じゃちょっと軽い。で、さっき調べたら、何と「イナフ」とカタカナ表記になってました。
逃げやがったな…。
2010年11月9日火曜日
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文化、習慣で片づけられることですかね?「殺す」
返信削除自分の命を大切に思えない人は、他人の命も大切に思えないそうです。
この、2010年の世の中においてもそうであれば、生きていることが奇跡ですね。
妻の反応は違ってました。
返信削除「外国で2年も暮らすっていうのに、そんな基本的な下調べもしなかったなんて、その人の落ち度でしょ。」
キビシー!