2010年11月5日金曜日

Derogatory 相手を見下した、中傷する

ここ最近、久しぶりにAmerican Prometheus というCD本を聴きながらドライブしてます。これは、「原爆の父」と呼ばれたロバート・オッペンハイマーの伝記です。後半は非常に暗い展開になっており、中盤の原爆開発エピソードが寧ろ明るく感じられるほど。FBIにアカ(共産主義者)じゃないかと睨まれ、しまいには「原爆情報をソ連に流したのでは」と、あらぬ嫌疑をかけられます。

ここでFBI長官フーバーは、違法な盗聴などによってオッペンハイマーの周囲を洗います。そして過去の浮気の詳細も含めたレポートを、政府高官に流すのです。この時何度も使われる言葉に、

Derogatory Information
名誉毀損にあたる情報

というのがあります。フーバーはオッペンハイマーを貶めるため、根も葉もないエピソードまででっち上げ、以後この天才の名声は、坂道を転がるように悪化の一途を辿ります。Derogatory とは、Derogate (名声を落とす)という動詞から派生しているのですが、英語学習者にとってやっかいなのは、「デラガトリー」と発音しないこと。カタカナにすると、「ドゥラガトウリィ」となります。

ここでふと、8年前のケヴィンとの会話を思い出しました。彼は当時この単語が気に入っていたらしく、随分多用していました。元請け会社の面々の態度について苛立ちをぶちまける時は、特に頻発してました。たとえば、

Did you notice their derogatory expression?
あいつらの、人を見下したような顔つき、気付いたか?

私は彼が何と言ってるのかずっと分からなかったのですが、表情や声の調子から、メッセージは理解しているつもりでした。しかしある日、思い切ってこう質問したのです。
「ねえ、ドゥラガトウリィって何のこと?どういう綴り?」
言っていることが分からないままずっと黙っていたことを知りムッとしたのか、彼は
「聞こえた通りの綴りだよ。」
とぶっきら棒に答えました。それが分からないから聞いてるんだろうが!「どぅらがとうりぃ」をどう綴れっていうんだよ!英語学習者を見下した態度に、こっちがカチンと来ましたね。それこそがDeragatory じゃないか、と突っ込めば良かった、と後になって気がつき、悔しい思いをしたのを憶えています。

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