2012年6月3日日曜日

英語で駄洒落

金曜の夕方、家族そろってAT&Tのお店に行きました。待望のiPhone 4Sを購入するためです。私についてくれた売り子は、ダニエラという名の、おそらく20代であろう女性。今なら手持ちのiPhone (私のは3G)をトレード・インする形でアップグレードすれば、50ドル分の付属品をプレゼントすると彼女が言います。
「二週間前に始まったキャンペーンなんです。」

そいつはラッキー、と店内を見渡し、品定め。
「とりあえず、落とした時のことを考えたらソフトケースは必要なんじゃない?」
と妻。値札を見ると、これが20ドル。私はズボンのベルトに引っ掛けるタイプのケースが欲しかったのですが、こっちは30ドルでした。両方合わせてちょうど50ドルです。これで決まりでしょ、と会計を済ませようとしたのですが、試してみたら?と妻が言うので、さっそくソフトケースを装着した後でベルトに掛ける携帯ケースに入れようとしました。ところが、これがどう頑張っても収まらない。上下のでっぱりが数ミリずつ邪魔しているのですね。

「普段はソフトケースに入れて使ってもいいけど、ベルトに引っ掛けたくなったらいちいちソフトケースを外さなきゃならないよね。ちょっと現実的じゃないな。」
と私。ダニエラに店内を捜索してもらったのですが、うまく携帯ケースに収まるサイズのソフトケースは見つからないとのこと。
「またいつかあらためて探しに来るってのはどう?」
と妻。
「ごめんなさい。50ドルを使えるのは今日だけなのよ。」
とダニエラ。暫く悩んだ末に、
「そうか、じゃあこのソフトケースは要らないな。」
と私が言うと、ダニエラがこう提案しました。

“You can keep this case for just in case.”
「一応念のため、このケースも買っておいたら?」

思わず妻と顔を見合わせる私。今の、もしかして駄洒落?

ダニエラは見るからにうろたえており、今のは偶発的なシャレで、ウケようと思ってのことではないのだと、顔を赤らめて言い訳しました。

“I had no idea where I was going.”
「そんなつもりは全く無かったのよ。」

まさかこんなにベタな駄洒落を自分の口から聞こうとは、思いもしなかったのでしょう。Just in case というのは、「万一に備えて」という意味のフレーズで、この場合のケースは「事態」という意味。今回はたまたま「容れ物」という意味でのケースが話題だったため、偶然シャレになったのですね。

くだらない駄洒落を言っちゃった後でうろたえるアメリカ人女性を見たのは、これが初めてでした。

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