2012年6月12日火曜日

Super Positive Guy

ちょっと前から左目の下の袋の部分が、断続的にピクピク痙攣するようになりました。鍼灸師のドクターを訪ねたら、一言。

「ストレスですね。」

もう何年もお気楽な「ストレスゼロ・ワークスタイル」を維持して来た私ですが、さすがに昨今のすさんだ職場環境で、メンタル面が侵食され始めたみたい。先週も、近しい関係にある同僚を含め、6人が次々にレイオフされました。自分の身に降りかかるんじゃないか、という不安を感じている訳ではないんです(そこはまだ楽天的な私)。「何であんな優秀な人達の首を切るんだ?会社のトップは一体何を考えてるんだ?」という憤りが、体内でぐつぐつと溜まって来ているのですね。

先日オレンジ支社に出張した時、ボスのリックと会ったので、

“Do you have any good news?”
「何かいいニュースありませんかね?」

と声をかけました。これはここ暫く、まるで決まり文句のように仲間同士で交し合っているセリフです。もちろん皮肉をこめたフレーズなのですが、リックはニッコリ笑って、

“I do.”
「あるよ。」

と答えた後、

“Lots of!”
「いっぱいあるよ!」

と付け足したのです。咄嗟に、皮肉の上塗りをしているものと解釈したのですが、彼の顔を見ると、どうやら本気で答えているらしいことが見て取れます。彼は、先日技術畑のカンファレンスに出席したこと、そこで新規クライアントの開拓が大いに進んだことなどを話してくれました。

「こういう大きな会社に在籍しているからこそ、実現出来たことだと思うよ。小さな会社にいたら、同じアイディアを発表してもあれほど注目されたかどうか、怪しいからね。この会社にいて良かった、とつくづく思ったよ。それにもしも僕が明日クビになったとしても、これだけネットワークを拡げたからには、どこへ行ってもやっていけるよ。」

私はすっかり感服してしまい、こう尋ねました。

「リック、あなたは本当にポジティブな人ですね。私もこれまで、自分はスーパーポジティブ野郎だと自負してたんです。でも完敗です。どうしてこんなひどい状況で、そこまで前向きな姿勢を続けられるんですか?」

ひとりしきり笑ってから、リックがこう答えました。

「シンスケに言われて思い出したよ。今のかみさんと会ったのは、友達の結婚式でだったんだ。その時、一緒に出席してた僕の親友が彼女に目をつけて、デートに誘ったんだよね。で、暫くしてうまく行かなくなり、気がついたら今度は僕が付き合ってた。何故かその前にも似たようなことが沢山あってね。彼が不運の連続でも、僕には何故かいい事が起こるんだな。その時、彼がため息をつきながらこう言ったんだ。お前って奴は、泥の中にうっかり足を突っ込んだとしても、靴の裏を見たら20ドル札が貼り付いてたってタイプの男だよなって。」

どんな逆境にあってもポジティブさを失わない。こういうのは私の理想とするところです。いい機会なので、彼にその秘訣をご教授頂くことにしました。

1.        きちんと呼吸をする(呼吸が浅いと元気がなくなる)。
2.        正しい姿勢を保つ(姿勢が悪いとポジティブになれない)。
3.        使う言葉を慎重に選ぶ(ネガティブな単語を使わない)。

そうなんだよな~。分かっちゃいたんだけどさあ。すっかり頭から消えてたぞ、この三か条。あらためて肝に銘じました。

「でもね、うちのかみさんに聞いてみれば分かることだけど、ポジティブさもあまり過ぎると、人をムカつかせることがあるんだ。注意が必要だよ。」

とリック。まったくもう、どこまでもバランスの良い人です。

3 件のコメント:

  1. スーパーポジティブ。
    ネガティブよりは良い気がします。常にポジティブでいることは相当疲れます。
    いつも前を見なきゃいけない。常に上を向いていかねばならない。振り返っていてはダメ、立ち止まってもダメ。とにかく進む。
    大切だと思います。でも、いつか壊れちゃう。とても危ういバランスで人間は生きていると思います。世界中、そのバランスをちょっと踏み外した人が事件事故、起こしてますね。

    韓国のある新聞記者が言ってました。あまりに日々ストレスが大きいと。バランスを崩さないことを祈るのみです。もちろん自分も。

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  2. ザ・シークレットとかザ・パワーとかに書いてあるようなことなのかな?
    人間て気持ちが乗っていると普段以上の力が出せるから、ポジティブでいるってのは成功する人の重要なファクターなんだろうね。誰もがそう上手くコントロールできるものではないだろうけど。

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  3. 今回学んだのは、自分がどんな状況にいるのかを客観的に分析し、「自分の力ではどうすることもできない」物事に心を悩ませないように努めるべし、ということ。気がついたら濁流に飲み込まれてた、ということのないよう。

    リックって、水の上をスイスイ歩いてるみたい。

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