昨日まで三日間、サンディエゴ空港のターミナル拡張プロジェクトの手伝いのため、現場のオフィスに詰めていました。スケジューリングの第一人者(グル)として、プロジェクト・チームのスケジュラー達を指導してくれないか、と声がかかったのです。誰の勘違いで私がグルに仕立て上げられたのか分かりませんが、依頼主のディレクターは週明け月曜の役員会に提出する資料を完成させなければならず、明らかに焦っています。助けてあげたいし、空港の仕事は初めてで、私にとっても良い経験になりそう。結局、我が社のトップスケジュラーであるボブにシカゴから駆けつけてもらい、二人で乗り込むことになりました。
蓋を開けてみると、現場のスケジュラー達6人は、年齢こそ若いものの、私よりはるかにスケジューリング経験の長いツワモノ揃い。見栄張って専門家面して、単独で来ないでよかったぜ~、と内心ドキドキしていました。毎日毎日額をつき合わせて仕事しているというこの若者グループは、仲の良さがビンビン伝わってくるほど結束が固く、冗談を飛ばしながら、絶妙なチームワークできびきびと仕事を片付けて行きます。
彼らの間で一時的に流行っていたのかもしれないけど、仕事中にこんなセリフが何度も飛び交っていました。
“With all due respect.”
まず相手の意見を手厳しく批判してから、もったいぶった声でこの言葉を付け足すパターンが横行しています。あとで調べたところ、「失礼ですが」とか「お言葉を返すようですが」とかいう意味だということが分かりました。Due というのは、赤ん坊の誕生予定日や借金の支払期限、レポートの提出締切日などを指す場合に良く使われる言葉。 “Due date” みたいに。知らなかったんだけど、実はそのほかに、「当然与えられるべきの」という意味があったのです。 “With due respect” は「当然敬意を払われるべき」となるのですね。
“I think it’s a bad idea, with all due respect.”
そりゃ駄目だと思うよ、お言葉を返すようだけど。
上の句が辛らつであればあるほど、この慇懃な下の句がピリッと効いて来る仕掛け。ふと昔、松尾貴史がやってた西部邁のモノマネを思い出しました。
「失礼ですがあなた、民主主義という言葉の意味、ご存知ですかぁ?」
あのヌメヌメした声の真似、ほんとに名人芸だったなあ。
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