2012年3月9日金曜日

チップの相場

二度目のフロリダ出張から今朝戻りました。今回も、4日連続で現場事務所に朝から晩まで缶詰状態。しかもほとんどのメンバーが同じホテルに寝泊りしてるので、朝食でも晩飯でも誰かしらと顔を合わせることになります。まるで学生時代の合宿。意識して一人の時間を作らないと、若干息が詰まります。

さて、そのホテルですが、宿泊期間中ずっと使える「朝食無料クーポン」をチェックインの際に渡され、毎朝これを一階のレストランに持参してタダ飯を頂いてました。ここで悩ましいのが、チップ(tip)。渡米してそろそろ12年になろうとしているのに、未だにこの習慣に馴染めません。通常レストランで食事する場合は、税金(8%前後)の二倍強(20%程度)をチップとして足しています。アメリカ人に尋ねると、それくらいで良いんじゃない?言われます。しかし、今回のケースはタダ飯なわけです。一体いくら置けばいいの?良く分からないので、皿の横にひっそりと1ドル札を置いて、不安なままそそくさと立ち去る毎日。

最終日の朝、レストランに行ってみると、サウスカロライナから来ているスティーブとテッドが座っていて、一緒に食べようと促されました。同じテーブルについたところ、程なくデイブとマイクもやって来て、五人で談笑しつつ朝食をとります。食事が済んだ時、私は部屋に財布を置いて来てしまったことに気付き、慌てました。しかし同時に、20ドル札と5ドル札しか入っていなかったことも思い出し、今回はまあチップ払わなくてもいいか、とあっさり諦めました。コーヒーもジュースもセルフ・サービスコーナーで注いで来てるんだし、と。

ところが、同席していた4人の男たちは立ち上がり際、まるで申し合わせたようなタイミングでポケットや財布から1ドル札の束を取り出し、バサバサとテーブル上に放り出したのです。まるでトランプ遊びで、捨てられるカードを選り分けて場に投げる速さを競うみたいに。ざっと見たところ、ひとり最低でも3ドルは出しています。一銭も払わなかった私はあまりのきまり悪さに、誰が咎めたわけでもないのですが、
「あ、部屋に財布置いてきちゃった。」
と周りに聞こえるか聞こえないかの小声でひとり言い訳していました。

部屋に帰って歯を磨きながら、激しく後悔。そうだ、チップというのはサービスに対する報酬なんだから、たとえ食事が無料でもそれなりの額を払わなきゃいかんのだった!そもそも、財布に1ドル札が一枚も入っていない状況を作っちゃいけないな、と深く反省。アメリカはカード社会だと言われるけど、チップをきちんと払うためには、充分な枚数の1ドル札を常時携帯している必要があります。早速その晩ウォルマートへ出かけ、レジで20ドルを1ドル札に崩してもらいました。

今朝、ホテルの部屋に3ドル置いてチェックアウト。バスルームの掃除やベッドメイクなんて、そもそも値札の付いていないサービスなので、レストランの時みたいにチップの額を単純計算出来ません。だから、3ドルが相場として正解なのかどうかは未だに不明です。それでもとにかく、「1ドル札を切らしているのでチップを置けない」状況だけは脱したので、幾分か気が楽になりました。

フロリダを発ったのが現地時間で朝6時(カリフォルニア時間で午前3時)。10時前にはサンディエゴ空港に到着。ダウンタウンまで市営バスが走っていることが分かっていたので、少しオフィスに寄って仕事して行こうと、初めてのバス利用を試みました。次の便の到着を待ちつつバス停に立って時刻表を眺めていたら、こんな表示を発見。

「運賃は2ドル25セントです。つり銭の出ないよう願います。」

ガーン!25セントなんて無いぞ。そこまで細かいの持ち歩かないといけないのか?昨晩1ドル札まで崩したのに、その先までは考えなかった!仕方ないのでタクシーを拾ったのですが(10ドル+チップ3ドル)、よく考えたら、3ドル出して「おつりは結構です」って言えば良かった。

4 件のコメント:

  1. 長いこといても、チップはそんなに苦労するもんなんですね。初めてのときは、チップはサービスが気に食わなければ出さなくてもよいなんて習ったけど、そんなものは形骸化し、彼らの報酬の一部というようにも言われた。

    だからといって、サービスのないところにチップを置くのもねぇ。。

    その点、アジアはまだ楽ですね。(香港ではあったけど)

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  2. 一度なんか、あまりにひどい態度のウェイトレスに当たったので一ドル札一枚置いて帰ろうとしたら、
    「たった一ドルですって?」
    と逆上されたことがあります。あれはちょっとむかっと来たなあ。

    どんなサービスを受けた場合でも、常に気前良く多めにチップを払うようにすれば、「相場を気にするストレス」からは解放されるのです。「金持ち喧嘩せず」ということで。中産階級の私としては、「なるべく外で他人のサービスを受けない」生活をして身を守るしかない。

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  3. 恐らくチップ本来の意味など既になく、サービスの良し悪しに関係なく、そのウェートレスはワンテーブル一回いくらもらえるものだと計算してるんでしょうね。
    だから彼女の予想より少しでも多い時初めて笑顔のひとつも見せるのでは?

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  4. そうだね。そういう人に当たった場合の行動としては、
    ①毅然とした態度で「あなたのサービスはひどすぎる。1ドルでも多すぎるくらいだ。」とたしなめる。
    ②標準的なチップを払って立ち去り、その日の体験は記憶から抹消する。
    という選択肢がある思うんだけど、未熟な僕は、②に惹かれながらも①を選び、それでも結局強く出られずに不快な思いでレストランを後にする、という状況に陥りがちです。今後は円熟した大人を目指し、②で行きたいと思います。

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