2011年9月17日土曜日

Burn the candle at both ends 無理して体力を消耗する

ここ一週間以上、どうも体調が優れません。微弱な風邪が、喉と鼻腔にとりついて離れないのです。日常生活に支障はないんだけど、なんだかドヨ~ンと身体の芯が重い。

今週は水曜にニューポートビーチ、木曜にサンフランシスコ支社でトレーニングの講師をしてきました。こういう仕事は初めての人と知り合うチャンスなので大好きなんだけど、ふと意外な落とし穴に気付きました。それは、風邪に感染しやすいということ。

大抵、トレーニングはドアを閉めた会議室内で行われます。激しく鼻をかんだり咳き込んだりする人が一人でもいると、ヤバいのです。今回も、そんな参加者がサンフランシスコで一人。こんな環境に3時間も4時間も身を置けば、まず間違いなく終了後にダルくなる。ただの疲れだ、きっと気のせいだ、と自分に言い聞かせても、そのうち本当にじわじわ喉が痛くなって来る。

秋の訪れとともに、具合の悪そうな人が周りに増え始めました。先日オレンジ支社で同僚トムに会った時も、彼の声は見事にしわがれていて、目も赤くなっていました。
「う~ん。調子悪い。俺に近寄らない方がいいぞ。」
「ありゃりゃ。健康優良児の見本みたいな男が、体調崩すこともあるんだね。」
「ここんとこ滅茶苦茶忙しいんだ。早朝出勤した上さらに夜遅くまで残業する生活が続いていてね。」

ここでトムの使った表現が、これ。

“I’ve been burning the candle at both ends.”
「ろうそくを両側から燃やしてるんだ。」

え?何て言ったの?

気だるそうなトムに、申し訳なく思いながらも解説をお願いしたところ、「無理をして体力を消耗する」状況を指すイディオムだとのこと。早く起きて遅く寝るという行動を、ろうそくの両端に火を灯す行為に見立てて説明しているんだと彼に言われ、なるほどね、と一度は納得したんだけど、よくよく考えるとどうも腑に落ちない。

で、後で調べてみたところ、どうやら語源は次のようなことらしいということが分かりました。

「夫婦がそれぞれ思い思いに家計を浪費する姿を、かつて高価な日用品であったろうそくを両端から燃やす行為に置き換えた。それが後に、仕事や遊びのしすぎで体力を消耗する人間の姿を表すイディオムとして使われるようになった。」

金曜にダウンタウン・サンディエゴのオフィスで久しぶりにジムに会ったところ、いかにも病み上がりといった様子で、
「もうだいぶ回復したけど、僕に近づかない方がいいよ。今週はミシガンに飛んだりして、本当に忙しかったんだ。おかげで風邪がなかなか治らない。」
と力なく笑いました。さっそくここで、覚えたてのイディオムを試し撃ち。

“I guess you have been burning the candle at both ends.”
「無理して体力を消耗してるんじゃないの?」

するとジムが深く頷き、
「ああ、その通りだよ。節制しなきゃ。」
としきりに反省していました。

よっしゃ!新しいイディオムがひとつ、自分のモノになりました。

2 件のコメント:

  1. ふむふむ、both endsね。
    ここ数週間、私はboth ends どころか、一本のろうそくを、二本に切断し、その二本になったboth ends、すなわち4か所でずっと燃えてたような感じでした。
    シビれるねぇ・・・。

    ところで、なぜに広末涼子?

    返信削除
  2. 命のろうそく、大事にしなきゃね。無理は禁物。ま、言うは易しだけど…。

    広末の再婚相手の職業って、ほら…。

    ちょっと無理があった?

    返信削除