2013年1月3日木曜日

夢見る酋長

年が明けました。今年の初夢は、高速道路の真ん中でエンストして立ち往生する、というパニックものでした。ううむ。幸先悪いな。

本日午後、同僚ステヴに、
「初夢は現実になるっていう迷信、アメリカにある?」

と尋ねてみたところ、「聞いたことない」とのこと。夢のお告げに従って突飛な行動に走る人を扱った物語はあるけど、夢の内容に神秘的な意味を読み取ろうとする行為は一般的でないそうです。そういえば、「夢占い」なんてのもこっちじゃ聞いたことないな…。
「ネイティブ・アメリカンは夢を大事にしたりするんじゃない?」

と更に尋ねてみました。ステヴは人類学者で、インディアン居留地がらみのプロジェクトによく携わるのです。
「モハビ砂漠の周辺に住むある部族は、毎日見る夢をとても大事にするよ。」

祖先が夢に現れて伝えてくれるメッセージなどは特に重要で、これを本気で行動の指針にしたりするのだそうです。
「一度こんなことがあったよ。部族の人たちとクライアントとの会議をセットしていたのに、当日になって突然キャンセルして来たんだよね。理由を尋ねると、酋長がその会議の夢をまだ見てないからだって言うんだ。どんな会議にしたら良いかのお告げを夢で受けないことには、出席出来ないってね。」

これにはぶったまげました。
「たとえプロジェクトのスタート前にチームでリスク事項の洗い出しをしたとしても、簡単には思いつきそうもない話だねえ。」

「そうなんだ。おかげでスケジュールが大幅に遅れちゃってね。クライアントの面々に事情を話したんだけど、なかなか理解してもらえなかったなあ。」

こういう話を聞くたびに、世の中って本当に面白いなあ、と嬉しくなります。

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