2013年1月20日日曜日

リーダーの仕事

火曜日の朝、

2013年度の目標設定がまだ終わっていない人は、今週中に済ませるように!」
という御触れが出ました。我が社の会計年度は10月にスタートするので、2013年度の目標は3ヶ月前に設定が終わっているはずなのですが、あまりの多忙でずっと後回しになっていたのです。

我が社では、年度初めに上司と話し合った上でBusiness Goals (ビジネス目標)とDevelopment Goals (自己研鑽目標)を設定し、それがどのくらい達成できたかを年度の終わりに評価する決まりになっています。これが給与査定のベースになるのでもちろん重要な作業なのですが、私はあまり得意じゃない。理由は、達成度がQuantifiable(数値化可能)である目標にしなければならないこと。「何々をもっと頑張る」みたいな努力目標じゃ認められないのですね。しかし私の業務の大半は他人の仕事のサポートなので、己のコントロールの及ばないことが多く、「売り上げ目標100万ドル」みたいな具体的なゴールを設定しにくいのです。
特にDevelopment Goals (自己研鑽目標)は難しく、悩んだ挙句にこんなのを搾り出しました。

「リーダーシップとコミュニケーション・スキルの上達を図る。年度末までに関連書籍を三冊以上読む。可能であればセミナー等にも出席する。」
アメリカで働き始めて10年目にしてようやく正式な部下が出来たので、これはリーダーシップとかコーチングのスキルを会得する良いきっかけ、と喜んだものの、その達成度を数値化する方法となると全く思いつきません。だから苦し紛れに「本三冊」としたのですが、ボスのリックもこれに同意し、

「確かにリーダーシップの達成度は計測しにくいね。」
と承認してくれました。そんなわけで、夏までに5冊ほど読破し、早々に「目標達成」しちゃおうと目論んでます。

「それにしてもリーダーシップって、本当に分かりにくいコンセプトですよね。」
と私が言うと、リックがこんな話をしてくれました。

「息子が8歳の時、少年バスケットボール・チームのコーチ(もちろんボランディア)を任されちゃってね、そんな仕事は未経験で、どうやってチームをリードしていけばいいのか見当がつかず、兄貴のマイクに電話して相談したんだ。マイクは何年も子供のスポーツのコーチをしていて、彼のチームはどんどん強くなるので評判なんだ。何か一般的な手順を教えてくれるものと期待していてたら、彼がこう言うんだ。大事なことはたったひとつ。練習や試合が終わった後、子供達ひとりひとりに、その日良かった点を言ってやることだってね。」
これにはちょっと鳥肌立ちました。そうか、テクニックがどうこうより先に、チーム・メンバーのひとりひとりを心から大事にすることなんだよね。

本、三冊読まなくても良くなりました。

4 件のコメント:

  1. 目標の数値化。何でもかんでも数値化してそれにどのくらい到達したか、しなかったかを見て評価するなら、数字を数えられるだけで評価者は良いことになってしまう。もちろんそんな単純ではないにしても。イチバンばかなのは、評価者ということになる。上が楽なだけだと思うんだけど。

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  2. 確かに。評価者に優しい仕組みだね。SMART GOALS という言葉知ってる?Specific(具体的で)Measurable (測定可能で)Attainable (達成可能で)Relevant (職務に沿っていて)Time-bound (期限のある)目標、というのの略語なんだけど、会社はこれを連呼してる。突拍子もないひらめきみたいなものは評価されないことになるけど、組織全体としては非常に有効なやり方だと思う。

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  3. ん、、、、ますますなんだかね。
    そもそも、評価する側に評価する能力はあるんだろうか。

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  4. 穿った見方かもしれないけど、「何で俺の給料は上がらないんだ?あんなに働いたのに?」という部下の訴えから身を守るためなんじゃないかな?「だって君は設定したゴールを達成できなかったじゃないか。」ってね。

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