ちょっと以前、妻が女友達と二人でゴルフへ行った際、後から追いついてきた中年の白人男性二人が「一緒に回りませんか?」と声をかけて来たそうです。「私達、あまり上手じゃないから。」と一度は断ったのだけど、いいからいいから、と半ば強引に四人で回ることになってしまったのだと。結果的には色々的確なアドバイスも貰ったりして、なかなか楽しく過ごせたそうです。
終了後、妻が手袋を外してクラブを片付けていたら、二人連れの片割れが近づいて来て、
「こんなことを言ったら驚かれるかもしれないけど、君たちのうちどちらか、いや、両方でもいいんだけど、僕らと付き合わない?」
と誘いをかけて来たのだそうです。妻も彼女の友達も、立派な中年です。確かにアジア人は若く見えるというけれど、まさかナンパされるとは思わなかった、と妻。
彼女はゴルフに行く際は結婚指輪を外す習慣があるのです。「グリップに支障が出る」というのがその理由。
「指輪してないのを見られたらまずいなあとは思ってたのよ。」
二人とも結婚していて大きな子供までいるのよ、と告げると男はギョッとして、知らぬこととは言え失礼しました、と退散したのだそうです。
「私、そういうナンパを断る場合に使える爽やかな英語のフレーズ、知らないのよね。しどろもどろになっちゃった。今度、誰かに聞いてみてくれる?」
というわけで、同僚達に聞いて回りました。で、ほぼ共通の答えがこれ。
“I’m sorry but I’m married. Thank you for asking, though. I’m
flattered.”
「ごめんなさいね、私結婚してるの。でも有難う。ちょっと嬉しかったわ。」
最後の I’m flattered ですが、「ほめる」とか「お世辞を言う」という意味の flatter を過去分詞にして、「まあお上手ね」みたいなノリで使われるフレーズです。「ごめんなさいね、私結婚してるの。でも有難う。ちょっと嬉しかったわ。」
私としては、妻がナンパされたことよりも、結婚指輪に関する社会的ルールがそこまで明確に確立されている、ということの方がむしろ驚きでした。日本の職場では、結婚指輪をしない所帯持ちなんて山ほどいたのです。
渡米して間もない頃は、うっかり指輪をせずに出勤したりすると、妻に怒られました。「どういうつもり?」と。「すまんすまん」と謝りつつも、なんでそんなに気にすんの?と不思議に思っていた私。たかが指輪じゃん。大体、僕が指輪してないからって誰が寄って来るっていうんだよ?と。
ふと気づいたんだけど、最近は指輪し忘れててもガミガミ言われなくなりました。あれ?もう心配いらないと思ってるのかな。男の色気が枯れてしまったということか?
いかーん!
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