2012年7月19日木曜日

I'm thinking aloud. まだ考え中なんだけど。

一ヶ月くらい前にオレンジ支社へ行った時、ボスのリックがふらっとやって来て言いました。

「ちょっと二人でブレーンストームしたいんだけど、いいかな?」

彼は上層部から、支社の品質管理の長を兼務してくれないかと打診されたと言うのです。担当だったベテラン社員が引退を臭わせて降りたので、その後釜に、というわけ。リックは現在、新技術を核にした事業拡大のために全米を飛び回っていて、果たしてこの人事が彼にとっても会社にとっても最良の選択なのか、疑わしいところ。リックに私の考えを伝えたところ、彼が慎重に言葉を選びながらこう答えました。

「どうも有り難う。僕もそう思う。でもそれだけじゃなくてね。いろいろ考えてたら、このポジションは君にぴったりじゃないかって思い始めたんだよ。」
「え?私ですか?」
「だって君はプロジェクトマネジメントの専門家だし、ここの連中は皆シンスケのことを信頼してるでしょ。地質学者の僕なんかより、ずっと適任だと思うんだよね。」

そしてこう付け足しました。

"I'm just thinking aloud."

これはよく耳にするフレーズです。「声に出して考えている」、つまりまだ考えがまとまっていない、「考え中だ」と言いたいわけですね。
「これはとてもシニアなポジションだし、履歴書的にも君のプラスになるでしょ。」

確かにそうかもしれないけど、私は今の仕事で十分忙しいので、新たな責務を負わされても皆を納得させられるような成果が出せるかどうか、怪しいところです。第一私はサンディエゴで仕事してるので、オレンジ支社のポジションが務まるかどうかも不安なところ。興味はあるけど懸念もありますと述べた後、はっきりした結論を出さないまま会話を終えました。

ところが今朝ほど、暫定支社長のクリスがそのボスのジョエルに送ったこんなメールが、リックから転送されて来たのです。
「このポジションはシンスケに任せたいと思うのですが、いかがでしょうか。スキル面でも文句ないし、実績もある。何より彼は、興味を示しているそうです。」

やられた!ひどいな、リック。「考え中」だって言ってたのに!

2 件のコメント:

  1. おおっ!スゴい出世なんじゃないの?
    重要はポストは重大な責任と膨大な仕事量にリンクしてそうだけど(日本の場合はあながちそうでもないかもしれないが・・・)。
    収入の方にも大きく影響してくるのではないのかね。

    ゆとりのある生活との天秤になるのだろうが、Throw someone under the bus で乗り切るためのトレーニングをせよってことじゃないのかな。

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  2. イディオム使ってくれちゃってアリガト。どうも今回の話は昇級とは関係なさそうなんだよね。昨今の人員整理の影響で、業務量をカバーするだけの人数がいないから、無理矢理みんなに兼務させて乗り切ろうとしてるみたい。慎重に対応します。

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