ダウンタウン・サンディエゴ支社のドンであるテリーは、四十人近い社員を束ねるリーダー。もう立派な中年(私と同い年)ですが、言動がどこかコミカルでチャーミング。わりと簡単に赤面するし、皆でボーリングに行った時などは、ガターの連発で若い連中の笑いをしっかりとってました。子供時代はきっと「フランスキャラメル」の女の子みたいだったに違いない、と思わせるクルクルヘアー。あの子が年取るとこんな感じになるのかもなあ、と想像しながら彼女の顔を見ています。それと、これは彼女の癖だと思うんですが、集中して仕事の話をしてると、テリーは目をどんどん大きく見開いて行きます。五分ぐらい話を続けると、仕舞いには笑っちゃうほどの特大サイズになるのです。
さて先日、経理のジョスリンとテリー宛にメールを出しました。これから電子決裁書を送信しますよ、と予告したのです。これに対してテリーが、こう返して来ました。
“I’ll keep my eyes peeled.”
直訳すると、
「目をひんむいたままにしておくわね。」
これ、とてもよく聞く表現なのですが、「お目々パッチリ」のテリーが言うと、ちょっと笑えます。でも本当はどういう意味なのかな?と気になって英辞郎を調べたところ、
「用心を怠らない」「にらみを利かす」
「目を皿のようにして探す」
となってます。
目を剥く(peel)んだから、素直に考えればそうなります。でも、たかだか電子決裁一本の話に、毎日何十本も処理している彼女がそれほどの真剣さを示すかな?と引っかかりました。さっそく同僚リチャードに尋ねます。
「いや、それほどの真剣さはないと思うな。」「神経を集中するぞ、警戒を怠らないぞ、みたいな熱意は無いわけね。」
「ないない。I’ll keep my eyes open. くらいの話だよ。」
「何か文例はある?」
カスタム・カーが趣味な彼は、少し考えてからこう言いました。
「何年型の○○という車を探してるんだけど見たこと無い?って同好の士に聞かれたとするね。そしたら僕が、I’ll
keep my eyes peeled. と答える。鋭意調査をします、と誓った訳じゃない。5段階で3くらいのコミットメントかな。それで僕が実際にブツを探し当てたりしたら、相手はかなり驚くだろうね。その程度の期待値だよ。」
やっぱりね。とするとテリーの発言には、こういう和訳がぴったりでしょう。
“I’ll keep my eyes peeled.”
「気にしておくわね。」
さて、その決裁ですが、テリーの承認を得た後、財務のシェリーが私の計算ミスを指摘したため、一からやり直しになりました。テリーのオフィスを訪ね、顛末を説明し謝罪した後、もう一度決裁が行くからね、と告げたところ、彼女がまたまたこう言いました。
I’ll keep my eyes peeled.
両目をパッチリ見開いて。
アメリカでは仕事にもユーモアが必要なんですね。
返信削除そうですね。全くユーモアに無縁な同僚もいるけど、ほとんどのアメリカ人は面白いです。あんな風に英語でジョークが連発出来たらいいなと思うことが多いです。
返信削除こんばんは(日本は夜の7時
返信削除過ぎです)
直接、アメリカの人と仕事をした事はないのですが、大変なようなおもしろいような。
さて、
シンスケ様は、PMがご専門とのことですので、PMについてもう少しお話を伺いたいのですが、いかがでしょうか?
よろしければ、facebookではどうでしょうか?(PMsocietyで検索頂ければ)
ううむ。そうしたい気持ちはあるのですが、ブログ更新ですらアップアップな状況なので、ちょっと今は厳しいです。ごめんなさい。長期的に検討させて下さい。
返信削除こちらこそ、唐突なお願いをしてしまい、申し訳ありませんでした。
返信削除ブログの方は、欠かさず拝読させて頂いておりますので、引き続き楽しい話題を、よろしくお願いします。
facebookの方は、いつの日かお願いいたします。
ご理解感謝です!
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