先月、こつこつとプロジェクトマネジメント・トレーニングの準備をしていた時、Change Management(変更管理)のところで悩んでしまいました。私が強調したかったのは、これ。
「追加予算を要求するまでもないほど些細な変更だと思って見過ごしたものが、みるみるうちに巨大事案に変貌していくことがある。気がついた時には、相当量の仕事を無料で終わらせてしまっている。その時点で変更要求をしても手遅れ、という例は無数にあります。で、醜い法廷闘争に発展する。こういうのは最初が肝心。どんな些細な変更でも、まあいいや、サービスだ、ちょっと残業してやっつけちゃうか、とやり過ごしてはいけない。必ず事前に文書化し、クライアントに変更確認すること。」
PM経験者ならずとも、大抵大きく頷いてくれるポイントです。しかしこれは、「言うは易し行うは難し」の代表例なんですね。分かっちゃいても、なかなか実行に移せない。それは何故か。ここんとこをスパッと説明する一言が欲しいな…。
その数日前、ダウンタウン・サンディエゴ支社の大御所であるレイに、私のプレゼンに挿入するケース・スタディ・セッション(実務経験を披露し、皆でそのことについて意見を交換する)を依頼しました。彼はこれを快諾し、自分のプレゼンのあらましをメールで送ってくれました。その中に、ハッと目を引く一文が…。
We tend to feel like nickel and diming.
我々はともすると、ニッケル・アンド・ダイムしてる気分になりがちです。
ニッケル・アンド・ダイム(nickel and dime)というのは、「ささいな」とか「小額の」という意味です。ニッケルが5セント硬貨、ダイムが10セント硬貨を意味しているので、直訳すれば「5円10円レベルの話」ですね。レイはこれに ing をくっつけて、「ケチケチと小銭をせびる」という動詞として使っていたのです。よっしゃ、こいつはいいぞ!さっそくこのフレーズを拝借し、スライドにおさめました。
Feeling like nickel and diming?
ケチケチ小銭をせびってる気分?
その下に、蔑むような表情を浮かべる女性(クライアント役)の写真がバーンと大映しになります。で、続けてこう書きます。
Actually, we are helping our client to avoid future disputes.
実のところ我々は、クライアントが将来揉め事に巻き込まれないよう手助けしてあげてるんですよ。
キマッタ。これは聴衆のハートにしっかり届いたようです。後日、レイにあらためてお礼を言いました。
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