2011年11月10日木曜日

Aptitude と Attitude

先日採用されたシャノンと私の名前が、「プロジェクト・パフォーマンス・チーム」として正式に組織図に載ることになりました。二人でPMたちをサポートし、組織全体の効率を底上げしようというのがマネジメント層の腹。

月曜の朝、チーム結成後初めての電話会議がありました。ロスからはエリックとマイラ、アーバインからリサ、そしてサンディエゴからはミケーラとシャノンと私が参加。まずは問題を抱えているプロジェクトのリストを点検しました。いわゆる「パレートの法則(2割の最重要課題を解決することで8割改善できる)」に基づいて優先順位を決めていこうという話です。

リストのチェックが終わった後、
「それじゃ、誰がどのPMをサポートするかここで決めようじゃないか。」
とエリック。彼がまず提起したのが、PMのタイプ分け。どんなタイプのPMかによってアプローチが変わってくる。従って誰が対応するべきかも変わってくる、というのが彼のロジック。

満を持して彼が提案したのが、三つのA。

Availability 時間に余裕があるかどうか
Aptitude   能力や適性があるかどうか
Attitude   学ぼうという姿勢があるかどうか

ううむ、これはカッコいいじゃないか、と感心しました。特にAptitude (アプティテュード)とAttitude (アティテュード)を続けて洒落るところなんざ、さすがエリック。何百人もの部下を抱える立場にあるからこそ出てくる発想だよなあ。

会議終了後、Aptitude の意味をあらためて調べたところ、「適性」とか「能力」という説明が多かった(Aptitude Test「適性試験」が一例)のですが、次にAttitude を調べ始めてびっくり。なんと、Attitude の語源はAptitude だというのです!ええ~?なんで?

14世紀に発生したと思われる、「フィットする、適応する」という意味の単語、アプト(Apt)がそもそもの大元。ここから16世紀に派生したのがアプティテュード(Aptitude)で、意味は「どれだけ的確に目的やポジションに自分を合わせられるか」。これが17世紀になって、「姿勢」という意味合いからアティチュード(Attitude)に転じたのですね。

ひとつ賢くなりました。

そういえば数年前、妻がアメリカ人の経営する小さな会計事務所にパートタイムで勤めたことがあるのですが、毎回ひどく邪険で横暴な扱いを受けたため、これはきちんと思うところを伝えておいた方がいいと判断し、とっさに

“I don’t like your attitude.”

と口にしてから、激しく後悔したそうです。彼は烈火の如く怒り、間もなくお払い箱になりました。Attitude という言葉は、日本では「態度」と訳していますが、実際はむしろ「マナー」の方が近いようです。

彼女のボスは、
「あんたのマナーはなってない。」
とバカにされたように受け止めたのかもしれません。私が当時に戻って彼女に助言できたとしたら、こんなセリフを提案したことでしょう。

“I feel being treated disrespectfully.”
「(ひとりの人間として)きちんと扱われていないように感じるんです。」

ま、そんなオヤジの下で長々働かなくて良かったけどね!

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