2014年3月23日日曜日

Think on your feet. 立ったまま考えろ?

Who stole our lunch time? (昼休みを盗んだのは誰だ?)というタイトルの雑誌記事を読んだことがありますが、最近とみに増えて来たのが、ランチタイムを利用しての会議やトレーニング。通常これをBrownbag (ブラウンバッグ)と称します。弁当代は会社が持つから、社員は昼休みを献上して働けよ、という仕組み。そもそもデスクで弁当食べながら仕事を続ける人が増えている昨今、不平を言う人はあまり見かけません。「さて、タダメシにありつくとするか」と笑いながら会議室に向かう人までいるくらい。

今週の水曜は、同僚ドミニクがプレゼンターになり、「いかにしてプロジェクトを勝ち取るか」というテーマのブラウンバッグがありました。プロジェクト獲得のためのステップからプレゼン必勝法までを網羅した、充実の内容でした。特に後半は、プレゼン指導を専門とする外部コンサルタントから授かったという知恵が満載だったので、聴衆の食いつきはかなりのものでした。

ドミニクが説明した「プレゼン心得」の最後の方に、こういうフレーズがありました。

Think on your feet.

文字通り解釈すれば、「立ったまま考えろ」です。でもプレゼンは大抵立ってするものなので、わざわざ念押しするポイントでも無いはず。ドミニクの舞台が終わるのを待ち、さっきの文句が一体どういう意味なのか尋ねてみました。

「クライアントがさ、わざと的外れな質問をして来る時があるんだよ。いや、意図的じゃないかもしれないんだけどね。そういう時にこちらが見せる反応が、勝敗を大きく左右するんだな。」

へ?それで解説終わり?

そこへオフィス・マネジャーのリチャードが寄って来て、補足説明を始めました。

「入札に参加しているコンサルタント全社に等しく投げかけるための質問票が予め作ってある場合があるんだ。それを文脈に関係なくぶち込んで来るクライアントもいるんだよ。明らかに意地悪でそうする人もいてね。」

ん?で?だから何?

全く意図不明の解説を繰り返す二人。何故そこで「立ったまま考えろ」なのかを聞いてるのに

午後になり、同僚マリア、ジム、そしてリチャード(オフィス・マネジャーとは別人)の部屋を訪ねて質問してみました。彼らの解説を総合すると、このフレーズの意味は、「じっくり論理的に考えるのではなく、一瞬で答えを出せ」ということ。つまり、用意していない質問を受けた場合でも慌てず、素早く考えて対応出来ないといけない、という話ですね。

そんなわけで、私の和訳はこれ。

Think on your feet.
瞬時に考えて対応せよ。

しかし驚いたことに、「それがどうしてon your feet なの?」という私の問いかけに対しては、誰一人満足な説明が出来ません。みな固まってしまうのです。

「座って考えるんじゃダメなの?立って考えるのと大した違いは無いと思うんだけど。」

「う~ん、そうだね。何でだろ?」

その日の夕方、ネット検索を続けること15分。結果、一番納得の行く答えがこれでした。

This expression uses on one’s feet in the sense of “wide awake, alertly.”
On one’s feetというのは、はっきり目が覚めていて用心深い状態を指しています。

確かに、座ってるより立ってる方が頭スッキリしてるかもしれません。な~んとなく納得。

ジムもマリアもリチャードも、私の質問に Think on their feet が出来なかったようです。


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