Mid-term review (中間業績評価)の時期が近づいて来ました。わが社の会計年度は10月にスタートするので、3月末日がちょうど中間点になります。
私は六人の部下(全員女性)と相談の上、彼女たちがサポートしているPM達(各5名)に対する無記名のカスタマー・サティスファクション調査を実施することにしました。Survey
Monkey という無料調査サイトを使えば、ネット上で簡単なアンケートを作って回答者にメールするだけでOK。これで客観的でフェアな評価が出来るだろう、と踏んでいます。みな自分に好意的だと思えるPM達を選りすぐるため、予め良い結果が出ることが決まっているようにも思えますが、無記名回答なので、案外正直な結果が得られるんじゃないか、と期待しています。
さて、昨日のランチタイムは同僚たちが会議室に大集合(40人くらい)。3月8日のInternational
Women’s Day (国際女性デー)を祝ってのディスカッションが目的でした。これは女性の平等な社会参加を呼びかける日で、あちこちの支社で何等かのイベントが催されている模様(会社の新方針みたい)。
総務のヘザーがコーディネーターになり、女性社員たちが辿ってきたキャリアについて、それぞれ簡単に述べます。
「19歳で妊娠してからシングルマザーを通して来た。以降18回も職を変えてきた。子供の送り迎えなどのために職場をちょくちょく抜けなければならない私の事情を理解出来ない男性上司も数人いた。」
「私の父は、ニューヨークで40年以上タクシー運転手をしていた。家族の中で、大学に進学したのは私が最初だった。みな応援してくれた。今ここでこうして働いていられるのは本当にラッキーだと思う。」
「女性がエンジニアになるなんて、という空気は確かにあった。でもこの道を選んで良かった。」
最後に、事前に集めてあった「女性に対する質問コーナー」があり、ヘザーがひとつひとつ読み上げます。これに女性社員が挙手して答える、というパターン。
「上司が男性か女性かで、待遇が違うと思ったことがありますか?それはどういう点ですか?」
女性社員たちは首を傾げながら、過去を辿って思い当たる点を述べようと思案しています。ここでマリアが挙手。
「性別は関係ないと思います。大事なのは、その人の人間性なんです。私は過去7年間、最高の上司に仕えています。彼が男性であろうが女性であろうが、そんなのはどうでもいいことです。とにかくエドは、人間として素晴らしいんです。」
いつもと違う真剣な表情。周囲はこの発言に戸惑っている様子。マリアの2メートル先に座って無言で笑っているエド。この場合、エドを冷やかすべきなのか、真面目に賛同するべきなのか?マリアにポジションを譲る前は、私にとっても理想の上司だったエドです。ここは大いに頷けるところなのですが、国際女性デーという文脈を明らかに逸脱する展開。
マリアは更に硬い表情で、
“Seriously.”
「本当に。」
と念を押しました。これで初めて、マリアが心からそう言っているのだと分かり、みな口ぐちに賛意を表します。ざわつきが静まった時、出席者の目は自然とエドに集まります。ここまで持ち上げられた彼が、一体どういう反応をするのか?エドはおもむろにマリアの方を向き、こう言いました。
“Your mid-term review is done!”
「君の中間業績評価は終了!」
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